〈今月の金正日総書記−5月−〉 食肉問題解決の意図 |
5月も金正日総書記の活動は軍に関するものが目立った。軍視察は9回、軍人家族の公演鑑賞は3回の計12回。経済部門に区分される養豚工場も朝鮮人民軍軍人が建設した。これも含めれば、全体の65%を軍関係への指導が占めている。 軍指揮官養成にも力
5月24日、北側は翌日に予定されていた北南列車運行の中止を南側に通告した。その後、27日から31日にかけて、ほぼ連日軍部隊視察の動きが伝えられている。 人民軍空軍第797軍部隊を視察した際、金正日総書記は飛行士を「祖国守護の道に青春も生命もためらうことなく捧げる祖国愛に満ちた信念の強兵、思想の強兵である」と称え、「このような忠誠の隊伍が祖国の青空を頼もしく守っているので金城鉄壁である」と強調した。 人民軍第264大連合部隊指揮部を視察した際には、指揮官の勤務遂行状況を了解したうえで、部隊の戦闘力をいっそう強化するうえで指針となる課題を示した。 5月の軍指導で注目されるのは、第549大連合部隊管下指揮官養成軍部隊の視察だ。同部隊を視察した総書記は、軍人が多面的な軍事知識を習得できるよう視覚実習設備を十分に整え、実感のわく教育を行っていることに満足の意を表した。そのうえで、指揮官育成は革命武力の強化、発展に直結するきわめて重要な問題であると述べ、全軍の幹部養成において指針となる課題を示したという。 朝鮮が先軍政治の強化につねに力を注いでいることを示した端的な例だといえる。 それは「(ここで養成されている)すべての軍人を立派な指揮官に育てるためには、発展する現実の要求に即して教育を絶えず改善する」よう強調したことにもうかがえる。彼らの生活保障に力を入れるべきだとした点も、軍人の生活を優先的に保障することが重要な政策である点を示唆している。 軍以外の動向も確認 この月は、▼改築された牡丹峰劇場で国立交響楽団の公演鑑賞▼新設の平壌音楽大学現地指導など、軍関係以外の動向も見られた。 経済面では、軍人が建設したものとはいえ、新設された養豚工場を現地指導した。この指導では、科学的な生産システムを構築して多くの肉と良質の加工品を生産していることに満足の意を表した。今後の課題としては、▼より多くの肉を生産するには飼育管理の科学化と生産者の技術、技能水準を高め、先進技術を導入する活動を積極的に推し進める▼豚肉の生産を飛躍的に増やせる物質的、技術的土台を構築した有利な条件を利用して、豚の飼育を大々的に行うべきだ―との点を強調した。 各部門、単位で畜産を発展させる大衆運動を繰り広げるよう指摘。それによって食肉問題を解決しようとの意図がうかがえる。(文聖姫記者) 同行者と回数 朴奉珠総理 1回、金永春総参謀長 1回、李明秀大将 8回、玄哲海大将 8回、 朴在京大将 8回、金国泰党書記 1回、金己男党書記 1回、 李容哲党第1副部長 5回、李載佾党第1副部長 4回、李済剛党第1副部長 3回、 黄炳瑞党副部長 8回、車承洙・朝鮮中央放送委委員長 2回、 金基龍・朝鮮中央通信社社長 2回、金養建・国防委員会参事 2回 [朝鮮新報 2006.6.16] |