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北南経済協力推進委第12回会議 合意書採択 「新方式の経済協力」

 北南経済協力推進委員会第12回会議が3〜6日済州道で行われ、同委員会北側委員長である民族経済協力委員会の朱東燦副委員長を団長とする北側代表団、財政経済部の朴炳元次官を首席代表とする南側代表団が参加した。会議で双方は、6.15共同宣言の基本精神にもとづいて北南経済協力事業を民族共通の利益の見地からいっそう拡大、発展させていくための問題を協議し、9項目からなる合意文を採択した。

今年中に資源交換

済州道で行われた北南経済協力促進委員会第12回会議 [写真=聯合ニュース]

 合意文によると、北と南は、同委員会第10回会議(昨年7月、ソウル)合意文第1項の履行と関連して「北南軽工業および地下資源開発、協力に関する合意書」を採択し、条件が醸成され次第、早急に発効させることにした。

 同委員会第10回会議では、「双方が所有する資源、技術などを結合させた新たな方式の経済協力事業を推進」(合意文第1項)するという歴史的な合意をした。今回、この合意履行のための具体的な合意書が採択されたことになる。

 10項目で構成されている合意書は、南側が今年衣類、靴、石鹸などの軽工業原材料8000万ドル(約96億円)分を北側に提供し、北側はその代価の3%を亜鉛、マグネシアクリンカで償還するなどの内容が含まれている。双方の合意書履行機構間の協議を経て、南側は8月から原材料を提供するという。このほか合意書には、北南が共同で鉱山に投資することも明記されている。

 今回の会議で北と南はまた、臨津江河口の砂利採取を軍事的保障措置が取られるにつれ協議、推進することにし、開城工業地区が国際的な競争力を持つよう諸般の条件を整えていくことにした。

 さらに、第1回臨津江水害防止実務接触を26日から2日間開城で開催し、単独調査結果検討と共同調査実施計画、洪水通報システムなどを協議し、洪水、山火事、黄砂などの自然災害を共同で防止するために協力することにし、7月中に開城で実務接触を行って具体的な問題を協議することにした。

 そして、経済、資源開発分野において第三国に共同で進出する問題を7月中に開城で実務接触を行って協議し、「北南軽工業および地下資源開発協力に関する合意書」が発効した時点で経済考察団を相互交換することにした。

 また、水産協力分科会議と科学技術協力方案を論議する実務接触の日程、北南経済協力の安定的推進のための商事仲裁委員会、開城、金剛山出入、滞在共同委員会の名簿交換と会議の日程を文書交換方式で協議、確定することにした。

 次回の第13回会議は今年9月中に平壌で行い、期日は文書交換形式で協議、確定することにした。

解説

 今回の北南経済協力推進委員会第12回会議は、第4回北南将官級軍事会談(5月中旬)が決裂し、5月25日に予定されていた北南列車試験運行も中断されるなど、今後の北南関係が憂慮される中で行われた。開催自体が危ぶまれた今会議は、列車試験運行中断後初の北南当局対話とあって、さらに注目を集めた。

 会議の模様を伝えた南の連合ニュースなどによると、会議は「重い雰囲気」の中で行われ、合意書の採択には難航が予想された。

 列車試験運行問題が争点となった。南側は、北が試験運行の実現を約束しなければ軽工業原材料の提供は困難との立場だった。一方北側代表団としても試験運行を約束する立場にはなかった。結局、「軽工業および地下資源開発、協力に関する合意書」を「条件が醸成され次第、早急に発効させる」との表現で折り合った。

 北南の代表らは、合意文を採択させるため予定されていた参観事業も取り消し、最終日前夜から明け方まで協議した。このような双方の努力の結果、今会談では、「(当初の)予想より多くの合意」(連合ニュース)がなされた。

 これにより北南経済協力事業のいっそうの発展が期待できることになった。

 そればかりでなく、6.15民族統一大祝典(光州、14〜17日)、6.15記念離散家族特別対面(金剛山、19〜30日)、金大中前大統領の訪北(下旬)など、6月以後相次ぐ北南行事に青信号がともったと言える。(姜イルク記者)

[朝鮮新報 2006.6.10]