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そこが知りたいQ&A−地方自治体選挙、与党が惨敗したが

執権党への審判が票に 「漁夫の利」得たハンナラ党 

 「5.31地方自治体選挙」は与党・開かれたウリ党の大敗、野党・ハンナラ党の圧勝で終わった。7大市長・9道知事選のうち、ハンナラ党はソウル市、大田市など12地域を制した。民主党は光州市と全羅南道の2地域を、無所属が済州道の1地域を獲得。開かれたウリ党は辛うじて全羅北道の1地域を獲得するに留まった。区、郡、邑の各長選挙も全230人のうちハンナラ党が155人を占め圧勝した。民主党は20人、ウリ党は19人。与党ウリ党が大敗した原因は何か。今後の政局の行方は−Q&Aで見た。

 Q 今回の選挙で与党が大敗した原因は何か。

 A 「いかなる勢力であれ、反人民的政策で人民を見捨てれば、結局人民から見捨てられることを示した」。3日付の労働新聞論評(要旨別項)のこの指摘が、与党大敗の原因を見事に言い当てている。南のインターネットサイト「統一ニュース」(1日)も、「今回の自治体選挙は執権党である開かれたウリ党への審判、より正確には『無能な』政権と党に対する審判だった」と厳しく評価した。

 04年の4.15総選挙でウリ党は過半数の議席を獲得した。これには市民の「強力な改革」への期待があったにもかかわらず、盧武鉉政権とウリ党は「この2年間何もしなかった」ように市民には映ったわけだ。

 党内部からでさえ「政府、与党審判程度ではなく、政府、与党として認められないという『弾劾』だった」(文喜相議員)との声が出ていた。文議員は「改革は国民とともに進めなければ、結局失敗するという教訓」を残したと述べている。

 Q ハンナラ党は文字通り圧勝だったが。

 A ハンナラ党の戦略勝ちだ。

 今回の選挙は当初から「地方権力交代論」をとなえるウリ党と「政権審判論」をとなえるハンナラ党のたたかいだったが、結果はハンナラ党のコンセプトが的中した(「統一ニュース」)。ハンナラ党は「生活格差拡大や不動産価格の高騰に手をこまぬいた政府、与党に対する庶民層の不満を吸い上げた」(朝日新聞1日付)といえる。

 有権者は最初から今回の選挙を「政権審判」と見ており、その意味で与党が一時的にも有利になることはなかった。朴槿恵代表が暴漢に襲われた事件もハンナラ党に追い風となった。

 したがって、今回の選挙結果を単純にハンナラ党支持の拡大と見るのは誤りだ。

 2年前の総選挙でハンナラ党に下された審判の番がウリ党に回ってきたといっても過言ではない。「ハンナラ党が今回得た票は『漁夫の利』」(労働新聞3日付論評)だといえる。

 Q 今後の政局はどうなるのか。

 A 今回の選挙は来年の大統領選挙の動向を占ううえで重要なポイントと位置づけられた。実際、各党、人士は、すでに大統領選挙に向けた政界再編に動き出している。「台風の目」と目される高建元総理は5日、「既存政党には組みしない」ことを明らかにした。独自の政治勢力を基盤に政界再編で主導権を握ろうとの狙いがあると推測されている。

 惨敗の責任をとって辞任した鄭東泳議長のあとに誰がなるのかが、ウリ党にとっては目下の問題。5日、非常対策委員会出帆のための人選委員会を構成することで意見の一致を見た。非常対策委員長としては金槿泰最高委員辞任が有力視されている。

 ウリ党、民主党を含めた民主改革勢力が「反ハンナラ」でいかに結集できるかが、今後の焦点だ。

 一方、ハンナラ党側は朴代表、李明博・ソウル市長、孫鶴圭・京畿道知事の間で候補争いが本格化するものと見られる。(文聖姫記者)

[朝鮮新報 2006.6.9]