最高人民会議第１１期第４回会議（１１日）で崔泰福党書記が行った第３議題「科学技術の発展を推し進めて強盛大国建設を力強く促進することについて」の報告要旨は次のとおり。

先端科学技術の速やかな発展を

　こんにち、われわれの前には、既存の科学技術の土台と潜在力に依拠して自力で短期間に先端科学技術を速やかに発展させて国の科学技術を高い水準に引き上げ、強盛大国建設を科学技術で確固と保証すべき重大な課題が提起されている。

　われわれは、党の科学技術政策に基づき国の科学技術発展において飛躍を起こすための展望目標と段階別計画を正しく立ててしっかり執行すべきである。

　当面、科学技術発展５カ年計画を徹底的に遂行し、金日成主席の生誕１００周年に当たる２０１２年までの次期科学技術発展５カ年計画を綿密に立て、その遂行の準備を着実に進めながらわが国を科学技術強国の地位に引き上げる２０２２年までの科学技術発展戦略も用意すべきである。

　こんにち、科学技術部門に提起される重要な課題は、先端科学技術と先端産業の確固たる土台を築き、食糧問題、エネルギー問題をはじめ切実な経済問題を優先的に解決し、人民経済の主体性を強化する方向で主要工業部門の改造、現代化を積極的に推し進めることである。

　中核基礎技術分野では国家広域情報通信網を構築し、プログラム技術を速やかに発展させてわが国をプログラム開発強国に発展させ、ナノ材料工業を創設し、生物工学的方法による優良品種の育種に力を集中すべきである。

　宇宙技術と海洋科学発展の土台をいっそう強固に築き、基礎科学研究にも力を入れて先端科学技術の発展に切実な原理、方法論的問題を集中的に解決すべきである。

　科学技術力量が集中している地区に人材育成、研究開発、生産が密接に結合した先端技術製品生産拠点を創設することに大きな力を注ぎ、国の経済を次第に先端産業中心の構造に更新するための拠点を整えるべきである。

　主要部門の技術工学発展にも力を入れるべきである。

　農業科学分野では種子革命を推し進めて生態地域別特性と２毛作に適合した優良な穀類作物品種の育種を研究して導入し、農業生産の科学化を実現し、農業の総合的機械化に向けた科学技術上の問題を解決すべきである。

　エネルギー技術分野では国の燃料、動力資源を大々的に開発し、現存発電所の技術改造を推し進め、風力と生物質エネルギーなど再生エネルギー利用技術を積極的に研究、開発しつつ先進省エネ技術を広く導入し、エネルギー管理の科学化を実現すべきである。

　国内原料による製鉄法を工業化し、石炭ガス化による大規模な肥料工業を創設し、石油探査と加工技術を発展させて化学工業発展の道を切り開く一方、鉛、亜鉛、マグネサイト、黒鉛、珪（けい）石、石材など、わが国の豊富な地下資源を現代的技術で採掘、加工することに特別に力を入れるべきである。

　人民経済の各部門で、新世紀の要求に即して立ち遅れた生産工程を大胆な現代技術で改造、現代化して生産を高い水準で正常化し、技術経済的指標を先進水準に到達させるべきである。

　次期科学技術発展展望計画が成功裏に遂行されれば、先端科学技術をはじめわれわれの科学技術はいちだんと高い水準に飛躍し、人民経済は情報産業時代の要請にふさわしい新たな科学技術的土台の上に確かに到達することになるであろう。

科学者、技術者隊列を固めよう

　国の科学技術発展において新たな転換を起こすには科学者、技術者の隊列をしっかり固め、彼らの革命的熱意と創造的能力を最大限高く発揮させなければならない。

　科学者、技術者は党と祖国の前に担った栄えある使命と任務を肝に銘じ、知恵と愛国の情熱を尽くして科学と技術の要塞を占領し、党が意図し、願うことなら人民軍隊のように決死貫徹の精神、革命的闘争気風で解決していくべきである。

　科学者、技術者を国と民族の貴重な宝として尊重し、押し立てる社会的気風を確立し、彼らが生産と管理において主導的役割を果たせるよう事業上での権威を高め、活動条件を十分に整えるべきである。

　新世紀の科学技術発展すう勢に即して、基礎教育と先端科学技術教育を強化する方向で教育の内容と質、教育方法を新しくし高い資質を備えた科学技術人材をより多く育成して優秀な対象を科学研究機関に優先的に配置し、科学者、技術者の隊列を質的にしっかり固めるべきである。

　科学技術を発展させるうえで自力での新しい科学技術の研究、開発と他国の先進科学技術の導入を主体的立場に立って上手に組み合わせていくことが重要である。

　科学技術研究機関と大学、工場、企業所では、われわれに要求される先進科学技術なら積極的に導入して自分のものにするだけでなく、それをいっそう発展させて朝鮮式の新しい科学技術を創造すべきである。

　世界各国との科学技術交流と協力を大胆に幅広く行い、他国の科学研究機関との共同研究を積極的に行い、海外同胞科学者、技術者との創造的協力をさらに強化すべきである。

科学技術と経済の統一的指導を

　科学技術と経済を統一的に指導管理する事業体系の確立は、科学技術と生産を密接に結合させるための重要な要求である。

　省、中央機関をはじめ経済指導機関は、機関の科学技術参謀部署を充実させ、それに基づき科学技術研究事業と経済指導管理事業を有機的に結合させて組織、展開し、科学研究と導入事業を研究機関と生産単位の密接な連係のもとでしっかり執行していく事業体系と秩序を確立すべきである。

　科学者、技術者突撃隊活動を、発展する現実の要求に即していっそう改善、強化し、設計研究機関の技術力量と物質、技術的土台を強固にし、整然たる指導体系を確立すべきである。

　科学技術事業に対する国家の統一的指導を決定的に改善、強化すべきである。

　内閣は、国の経済司令部として科学技術の発展に優先的な関心を払い、経済事業と科学技術事業を統一的に指導、管理する事業体系を確立し、国家科学院は内閣の科学技術参謀部として党の科学技術政策に基づき国の科学技術発展のための企画を正しく行い、その執行のための組織、指導事業と掌握、推進事業を責任もって行うべきだ。

　科学技術部門に対する国家投資を決定的に増やし、科学研究事業条件を十分に整えるのは、こんにち、科学技術の発展において転換を起こすための重要な保証である。

　国家予算で科学技術事業費を大幅に増やし、合理的に利用するようにし、各部門、各単位で科学技術の発展に必要な設備、資材を優先的に供給する規律を確立すべきである。

　科学技術の飛躍的な発展を遂げることは強盛大国建設を力強く推し進めるための重要な政治的課題であり、科学者、技術者だけでなく社会のすべての構成員が共に力と知恵を尽くさなければならない全人民的な事業であるという公民としての自覚を持って、誰もが科学と技術を学び、科学者、技術者になるために努力することが社会的風潮、すう勢になるようにすべきである。（朝鮮通信、中見出しは編集部）

［朝鮮新報 2006.4.27］