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日本の「探査船」問題 南の市民団体 「独島は朝鮮の領土」

国際社会にアピールを 当局も強い態度崩さず

 日本の海上保安庁の「独島探査船」が18日夜に東京港を出港したとの報道が伝えられたあと、南朝鮮と日本の間で緊張が高まっている。盧武鉉大統領は20日、「言葉だけでは解決できない厳しい状況に直面している」と強硬対応の方針を示唆した。潘基文外交通商部長官も同日、大島正太郎駐南日本大使を外交部に呼び、日本側の挑発がある場合には強力対応するとしたうえで、探査計画の即時撤回を要求した。日本側は21日、谷内正太郎外務事務次官を急きょ南に派遣した。2隻の「探査船」は悪天候もあり20日現在、鳥取県の境港沖に停泊したままだ。

民族が一丸となって対処を

 「独島を紛争地帯化して奪い取ろうとする日本の行為は挑発そのものであり、第2の朝鮮半島侵略行為だ」

 統一連帯、過去清算汎国民委員会、アジア平和と歴史教育連帯の3団体は20日、ソウル市内の日本大使館前で「独島探査船」問題と関連して記者会見し、こう怒りを露にした。朝鮮側排他的経済水域(EZZ)内への日本の測量計画に憤慨した市民団体が急きょ開いたもの。

 会見に参加したアジア平和と歴史教育連帯のヤン・ミガン運営委員長は、「日本当局が、歴史教科書や靖国神社参拝などを通じてはっきりと日本国民を教育する方向に旋回しているのに、韓国はこの間『静かな外交』を行い実質的には沈黙していたと言っても過言ではない」と南当局を厳しく非難し、「独島がわが国の領土であることを国際社会に明白に示さなければならない」と主張した。

 世論を背景にこのような意見が出されているだけに、当局には強い対応が求められる。

 こうした世論を気遣うかのように、盧大統領は「この時点で過去に不当な歴史で取得した、いわば侵略戦争によって確保した占領地に対する権利を主張する人がいる」として、「善意だけではすまないようだ」と日本の対応を厳しく非難。「この難関を克服し東北アジアのすべての人が平和と協力の土台に基づき共同に繁栄する社会を作るためにも、強い時は強く、厳しい時には厳しく」対応する考えを示唆した。

 一方、「植民地統治の残りかすである分断体制を終わらせねばならない。今こそ、朝鮮半島をひとつにして日本の野心を挫折させるべきだ」(開かれたウリ党の鄭東泳議長)との主張も政界から出ている。

 朝鮮民族が一つになってこの問題に対処しなければならないとの立場を表明したものだが、実際、朝鮮法律家委員会は18日、独島が朝鮮固有の領土であることを立証する白書を発表している。

「紛争地域にする意図が」

 日本政府は21日、谷内正太郎事務次官をソウルに派遣した。夕方には柳明桓第1外務次官との会談が行われた。南側は「外交的に解決しなければならないことは、日本が誰よりもよく知っている」(潘長官)との立場を公にしてきた。

 柳次官はこの日、南の一部記者に対し、「谷内次官との面談では、日本が独島を念頭に置いていることを指摘しようと思う」として、「(独島地域を)紛争水域にするのが日本側の意図だ。独島領有権問題に影響を与えようとするのは決して許されない」と述べた。

 今回の問題をめぐっては、南側が6月の国際会議で海底地名を東海にするよう提案するとされたことに対する日本側の「けん制」の面があるようだ。麻生外相が21日の記者会見で「韓国が6月のドイツの会議に案を出さないのであれば、私どもとしてもこの時期に(調査を)する必要はない」として、独島領有権問題が背景にあることを示唆した。

 一方、柳第1外務次官は同日、「われわれは6月に提案すると発表したことはない。(日本側が)オーバーアクションした面がある」と述べた。(文聖姫記者)

[朝鮮新報 2006.4.24]