top_rogo.gif (16396 bytes)

そこが知りたいQ&A−最高人民会議第11期第4回会議 何が決まったの?

食糧問題が最優先課題 経済発展と生活改善目指す、農業など昨年の成果を評価

 最高人民会議第11期第4回会議が11日、平壌で開かれた。昨年、経済諸部門で達成された成果がどう報告され、今年の経済建設の方向性がどのように打ち出されるのかに大きな注目が集まった。今回の会議で何が話し合われたのか、Q&Aで見た。

 Q 議題は。

 A @内閣の昨年の活動状況と今年の課題A昨年の国家予算執行の決算と今年の国家予算B科学技術の発展を急ぎ強盛大国建設を力強く進めていくことについて−の3つ。第1議題については朴奉珠総理が報告し、第2、第3議題についてはそれぞれ盧斗哲副総理と崔泰福・朝鮮労働党書記が報告した。

 Q 昨年の経済活動報告で注目される点は。

 A 昨年内閣は、「穀物生産を増やし、重要対象の建設および現代化を進め、既存の経済の土台に依拠し全般的工業生産を活性化することに重点を置いて経済活動を指揮、展開した」(朴奉珠総理)。その結果、「ここ数年間にあげた成果より、さらに大きな成果が昨年1年間で達成された」と報告は指摘している。

 具体的には、電力生産量は17%、石炭の生産は10%増加した。報告はこのような生産の伸びを、「朝鮮の経済の活性化をはっきりと実証するもの」として評価している。

 農業部門における穀物の増産も、昨年の大きな成果の一つとして挙げられた。

 成果の要因として、化学肥料、農薬、農耕機械などの営農物資の供給増加、農村に対する労働力支援強化、先進営農方法の積極的な導入などが指摘された。

 Q 今年の内閣の課題について。

 A 朴総理は報告で、「経済の発展と人民生活において決定的な転換をもたらすこと」が、今年の内閣の最重要課題だと強調した。

 そのための中心課題として、昨年に引き続き農業生産に力を注ぎ、食糧問題を円満に解決するとともに、石炭と金属工業を立て直し、全般的人民経済の現代化と生産の活性化において飛躍を成し遂げることを挙げた。

 総理の報告は各部門別の具体的な対策についても言及しているが、とくに今年も電力、鉄道、石炭、金属部門に大きな力を注ぐことを強調している。

 Q 昨年度予算計画の執行状況は。

 A 国家予算収入は計画より0.8%超過達成され、前年比16.1%の伸びだった。支出計画は4.4%の超過で遂行された。

 支出の内訳は、国防費15.9%、人民経済部門41.3%などだ。

 注目されるのは、農業部門に対する支出が前年比32.5%増加したことだ。「農業に全ての力を総集中、総動員したことにより、農業生産において新たな前進がもたらされた」と、報告は指摘している。

 また、国の重要工業部門に資金が集中的に投入され、各部門で増産、設備の補修および現代化、技術革新が達成されたとしている。

 Q 今年の予算配分は。

 A 歳入7.1%増、歳出3.5%増を見込んでいる。

 予算計画は、「国防力強化に最大の力を注ぎ、社会主義経済建設と人民生活の向上において決定的な転換をもたらす」(盧斗哲副総理)方向で編成された。

 歳出の配分は、国防費に15.9%が割り当てられる。

 電力、石炭、金属、鉄道運輸などの主要経済部門への歳出は2005年に比べ9.6%増加する。農業部門に対する支出も昨年比12.2%に増やすことが決まった。昨年に引き続き今年も農業を経済建設の重要な部門に位置付け、食糧問題を最優先課題として解決していこうという意気込みがうかがえる。

 また、科学技術発展事業費の支出を昨年よりも3.1%増やす一方、無料義務教育制度や無償治療制度などの社会的施策に関する支出も昨年に比べ3%増加するとしている。

 Q 第3議題についてはどのように議論されたのか。

 A 崔泰福書記は報告の中で、現在の「科学技術発展5カ年計画」を徹底的に遂行し、金日成主席生誕100周年にあたる2012年までの次期「5カ年計画」を策定することを明らかにした。また、朝鮮を科学技術強国の地位へと押し上げるために、2022年までの科学技術発展戦略も樹立すべきだと強調した。

 朴総理も「今回の会議をきっかけに党の科学技術重視路線の貫徹において根本的な転換をもたらしていく」と指摘したが、科学技術発展問題に関して単独で議題が設けられたことは、内閣が経済の発展のためにこの問題をいかに重要視しているかの証だろう。

 崔書記は科学技術部門の課題として、先端科学技術とハイテク産業の土台構築、食料、エネルギーなどの切実な問題を優先的に解決する方向で重要工業部門の現代化を推進していくことなどを挙げた。また、各国との科学技術交流および協力活動や海外研究機関との共同研究、海外同胞科学者、技術者との協調を積極的に推し進めていくことにも言及した。(李相英記者)

[朝鮮新報 2006.4.14]