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〈月間平壌レポート〉 話題を集めた平壌訪問者

 【平壌発=姜イルク記者】2月の名節に際して海外から在外同胞と外国人のさまざまな団体が訪朝した。中でもひときわ注目を集めたのはロシア連邦国防省中央軍楽団だった。7日から17日まで訪朝した同楽団は、毎日のように公演を披露。金正日総書記も15日に観覧した。14日には朝鮮人民軍楽団とともに市内をパレードするなど、祝賀ムードに花を添えた。

ロシア有数の楽団

金正日総書記の誕生日を記念して15日、平壌の蒼光院水泳館で行われたシンクロナイズドスイミングエキシビション [朝鮮中央通信=朝鮮通信]

 ロシア有数の同楽団は、世界的にも権威ある楽団として知られている。ロシアの古典音楽や現代音楽、世界の名曲を演奏し、「赤の広場」で行われる閲兵式や大統領就任式などの国家行事での演奏を担当している。創立は1926年9月。79年の歴史を誇る。

 同楽団の訪朝は今回が初めて。楽団の公演と朝ロ軍楽団によるパレードの模様は朝鮮中央テレビでも放映され、国内主要新聞は楽団の紹介記事とともに大きく報じた。

 副団長のアンドレ・ペトロビッチさんは初訪朝の感想について、希望と活気に満ちた表情で街を歩く人びとの姿が印象深いと述べた。

 ロシアからはまた、ヤグジン選手(26)が第15回「白頭山賞」国際フィギュア祭典(15〜17日、アイススケートセンター)に参加するため訪朝した。99年から02年まで4年連続で世界フィギュア選手権を制覇し、4年前のソルトレークシティー冬季五輪でも金メダルに輝くなど、華やかな経歴を誇る彼もまた、メディアの注目を集めた。

 出演のたびに場内からは再三にわたってアンコールの拍手がわき起こった。自身の訪朝によって、「朝鮮選手の技術向上に役立てればうれしい。招待されたらまた来たい」と話していた。

 朝鮮では1月、金正日総書記の中国訪問が連日繰り返し伝えられ、良好に発展する朝中親善関係が際立って強調されたが、2月の慶祝日に際しては朝ロ関係の発展が強く印象づけられた。

総連の代表ら激励

 総連からは南昇祐・副議長を団長とする在日朝鮮人祝賀団、総連活動家代表団、新世代女性代表団などが訪朝し、祖国の人々とともに総書記の誕生日を祝った。

 市民らは、在日同胞を取りまく情勢や朝・日関係に高い関心を示していた。朝・日関係改善が先送りされる中、熊本朝鮮会館に対する免税措置と関連して司法当局による不当な判決が下されるなど、 総連組織と同胞に対する対応が厳しさを増していることは市民の中で広く知れわたっている。

 総連の代表らは、会う人びとに圧力に屈することなく在日朝鮮人運動を力強く押し進めていく意向を伝える一方、祖国の関係者は 総連の代表らを激励していた。

 金剛山歌劇団は慶祝公演(14〜18日、平壌大劇場)を通じて、祖国と民族のために引き続き歩んでいく総連組織と同胞の心情を披露した。職場の同僚と公演観覧に来たという37歳の女性は、「在日同胞の強い意志と信念に心を打たれた。これからもがんばってほしい。私たちも応援している」と話していた。

 金剛山歌劇団は、朝鮮では最も人気のある芸術団のひとつに数えられる。今回の公演の際も会場は連日満員だった。全日程終了後には約70分の公演全過程がテレビで放映された。

 平壌市民らの情勢認識は、「米国の増加する対朝鮮敵視政策により予測不可能な段階へと向かっている」(2.16慶祝中央報告大会の報告)といった厳しいものだが、悲観ばかりしているわけではない。

 2月の平壌は祝賀ムード一色に染まった。第10回金正日花祝典、シンクロナイズドスイミングエキシビションなどの華やかな祝賀行事が相次ぎ、市内のレストランは「名節特別奉仕」でおおいに賑わった。

 昨年、経済全般を「上昇の軌道」(06年3紙共同社説)に乗せて迎えた今年の2月の名節は、いつになく活気にあふれていた。市民らも必ずや強盛大国を建設するという抱負と自信に満ちていた。

[朝鮮新報 2006.2.24]