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そこが知りたいQ&A−朝・日会談、来月4日からの開催が決まったが

日本の「過去の清算」が基本 一貫した立場、あらためて強調

 朝・日会談の2月4日からの開催が決まった。昨年12月に北京で行われた副局長級接触を通じて決まったもので、朝・日関係を全般的に改善するために相互関心事となる問題を話し合うべく3つの分科に分かれて行われる。朝・日会談に臨む朝鮮側の立場についてQ&Aで見た。

 Q 3分科に分かれて話し合われる朝・日会談が近々開かれるようだが。

 A 2月4日から北京で開催されることが正式に発表された。3つの分科に分かれて行われることは昨年12月24、25日に開かれた副局長級接触で決まった。その内訳は@国交正常化会談(大使級)、A安全保障、B拉致問題を含めた懸案問題だ。国交正常化会談では経済協力問題、在日朝鮮人の地位問題、文化財返還問題など過去の清算と関連した問題を討議する。

 3つの分科に分かれて会談を平行して行うことは、昨年11月の副局長級接触で日本側が提案したものだ。

 「国交正常化を実現するために不幸な過去を清算し懸案事項を解決する措置を取る」ことが、12月接触合意の重要な部分だ。

 Q 朝・日会談に臨む朝鮮側の原則的立場は何か。

 A 朝・日平壌宣言で示された精神と基本原則に沿って問題を解決していくということだ。ここでの基本は過去の清算。今年に入ってからも朝鮮側は「朝・日関係問題の解決において根本の根本は『拉致問題』ではなく日本の過去の清算」(民主朝鮮2日付)であると明言している。労働新聞15日付も、「過去の清算は回避できない日本の法的、道徳的責任」だとあらためて主張した。

 Q 過去の清算について具体的な言及はあるのか。

 A これまでも繰り返し言われてきたことだが、「(日本側が)加害者として被害者である朝鮮民族に負債を支払う問題であり、心からの謝罪と補償が本質的内容」(労働新聞15日付)だ。

 Q 日本では「拉致問題」が会談の中心テーマであるかのように言われているが。

 A 確かに日本では、拉致問題を話し合うための会談であるかのような論調が目立つ。これと関連しては、前述の民主朝鮮論評でも指摘しているとおり、根本は「拉致問題」ではないというのが朝鮮側の立場だ。

 論評で朝鮮側は、安倍官房長官が「拉致問題」の解決なくして国交正常化はないというのが政府見解などと述べていることについて、「この言葉を聞くと、朝・日関係問題の解決における根本があたかも『拉致問題』であるかのような印象を受ける」とけん制。「朝・日関係が根本的に悪化し始めたのは、日本が朝鮮を侵略し出した時からだ。日本は歴史的犯罪行為について敗北60年が過ぎたこんにちまで、朝鮮人民に謝罪と補償をしておらず、犯罪の責任を回避している」と指摘している。

 もちろん、「拉致」を話し合う分科が別途設けられているが、朝鮮側の立場に変化があったわけでは決してない。この問題と関連した双方の原則的立場は、昨年11、12月の副局長級接触でも互いが明らかにしたという。

 Q 開催後の見通しは。

 A 11月の接触で朝鮮側は、日本側の政策的意思が過去の清算を通じて関係を改善しようというものであるなら肯定的に評価したいとの意向を伝えたとされる。最近の朝鮮側の論調を見ても、過去の清算を強調しており、「今年、(日本は)過去の清算意志を実践で世界の前に示すべき」(労働新聞15日付)だと指摘している。

 やはりこの問題に対する日本側の対応が、今後の会談進展の鍵を握っているといえよう。(文聖姫記者)

[朝鮮新報 2006.1.28]