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朝鮮外務省代弁人 「金融制裁解除し6者会談に臨むべき」

信ぴょう性ない資料に基づいた米の金融制裁

 朝鮮外務省スポークスマンは9日、米国が朝鮮に対する金融制裁問題が6者会談とは無関係だという主張を持ち出していることと関連して、朝鮮中央通信社記者の質問に次のように答えた。

 最近、米政府の公的人物らは自分たちが取った対北朝鮮金融制裁が6者会談とは全く関係がなく、金融制裁に関連する北朝鮮の立場は6者会談を遅延させるための口実、金融制裁問題は協議の対象ではなく違法行為を働いた当事者が自ら止めれば済むことなどと言い続けて世論をミスリードしている。

 対朝鮮金融制裁が6者会談と直結した問題であることは、初歩的な思惟(い)能力さえあれば誰でも分かる問題であるが、唯一、米国だけが素知らぬ顔をしている。

 6者会談について言えば、朝鮮半島の非核化実現を目的としたもので、ここで基本は朝鮮半島非核化をめざしてわれわれと米国が公約履行のために動くことだ。

 朝鮮半島の核問題は、われわれが選択した思想と制度を否定し、自分たちのものを押し付けようとする米国の対朝鮮敵視政策によって生じた問題であり、その解決のキーポイントは米国がわれわれに対する敵視政策を取り止め、共存する方向に進むことだ。

 それゆえに6者会談の共同声明にも朝鮮半島の非核化を目標として朝米が互いに尊重し、平和共存するとの原則が明記されている。

 しかし、米国が実施している反朝鮮金融制裁は血管をふさいでわれわれを窒息させようとする制度抹殺行為であり、共同声明に明記されている相互尊重と平和共存の原則を完全に否定するものだ。

 とりわけ問題となるのは6者会談の最中に金融制裁が発動されたことだ。

 ブッシュをはじめ高位人物がわれ先に「圧政」「犯罪国家(政権)」と暴言を吐き、以前には言葉だけであった制裁を共同声明の採択以後は実際に強行発動して、元来よりもさらに過酷な対朝鮮敵視政策を実施している。

 米国の政策がこうであるのに、何のために会談を行う必要があり、たとえ当事者間で合意するものがあるとしても、裏で米国の高位当局者がそれをすべて覆しているのに、どうして核放棄のような慎重な問題を安心して論議できようか。

 現在の状況のもとで、われわれが自衛のためにうち固めた核抑止力を放棄する問題を加害者である米国と論議するのは話にもならない。

 それでも対朝鮮金融制裁が6者会談と関連がないと言えるのか。

 結局、米国の主張は、6者会談とは無関係にわれわれに対する敵視政策を続けるということ、6者会談がはかどらない責任をわれわれに転嫁しようとすること以外の何物でもない。

 金融制裁が協議の対象ではなく、違法行為を働いた当事者が自ら止めれば済むことだというのも強盗さながらの主張だ。

 米国側が金融制裁の動機になったとしてわれわれに渡した資料を検討してみたところ、われわれにはそのような事実が全くない。

 米国が「説明会」で持ち出したという資料が信ぴょう性のないものだということについては多くの国とマスコミも指摘している。

 こうした事実にもかかわらず、米国は誰も信じない事実無根の資料を流し、われわれと対座することをはばかりながら協議に必死に反対している。

 もし、米国が科学的な事実資料に基づいてわれわれに金融制裁を加えたなら、われわれと対座して正々堂々とそれについて明らかにできない理由はないであろう。

 米国が真に朝鮮半島の非核化に関心があり、6者会談の進展を願うなら、それを阻む金融制裁を解除して6者会談に臨むべきだ。

労働新聞も解除求める

 労働新聞3日付は署名入り論評で、米国に対し、6者会談を破たんさせる基本要因である朝鮮に対する制裁から解除すべきであると指摘。6者会談再開の展望は、全的に米国の行動いかんにかかっていると主張した。(朝鮮通信)

[朝鮮新報 2006.1.12]