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〈60周年を迎えた朝鮮学校の現場から〉 東大阪初級 学校創立60周年記念祝典

「未来は明るい」

式典には1000人もの同胞が訪れた

 東大阪朝鮮初級学校創立60周年記念祝典が10月29日、同校で行われ、約1000人が参加し祝った。

 校舎は「創造」「継承」「未来」と描かれた12メートルの背景幕で飾られた。これは祝典のテーマでもある。

 記念報告で実行委員会・高元亨委員長は「学校は1世同胞の血で守られ、2世同胞の汗で発展してきた」と60年の歳月をふり返り、記念祝典を迎えるにあたって9月の金剛山歌劇団公演や、チャリティーゴルフコンペ(4月)、納涼会(8月)など年初から7回におよぶ各種行事を成功裏に収め準備事業を進めてきたと述べた。そして運動場拡張工事、炊事室の新設、校舎の修理、美化、環境改善などの学校改修事業を計画通りに行ったと報告し、「今日は60周年を祝って歌い、踊ろう」と話した。

 舞台では学生公演、卒業生や教職員OBらのスピーチなどが披露される一方、会場には卒業写真などが展示され、当時を懐かしむ談笑で話しが弾んだ。そして大阪朝鮮歌舞団の歌と踊りで祝典は大いに盛り上がった。

「答えはハッキョ」

舞台ではさまざまな公演が披露された

 「当時は教科書なんてなかった。オンボロバスは一週間に2回も3回もパンクした」と文英喜さんは「創造」の歴史をふり返る。文さんは50年代にバス運転手、教員として10年以上活動した。「十分なものはなにもなかったが、学校は楽しくておもしろいところだと伝えたかった」。

 「継承」「未来」についてオモニ会の金芳美会長は「答えはすべてウリハッキョにある」と言う。金会長は「月日が何度変わろうとも、子どもたちの笑顔のためにオモニ会の活動は続いてきた」「日本学校では社会問題が多発し、学校としてのあるべき姿の喪失を感じる。でもウリハッキョには個々の個性を輝かす環境がある。だから民族教育の未来は明るい」と述べた。

 柳政彦校長は「未来を担う生徒を育てる教育者として、創造、継承された歴史を、また受け継いでいきたい」と語った。

 実行委員会を含めこの地の同胞はとても「未来志向」だ。「60周年行事は次の10年のための行事だ」と口をそろえる。新校舎設立が話題に上がったのは地域の財産、知恵、力がひとつになったことへの自信と、手ごたえの表れだろう。東大阪初級は60周年を迎え「次の10年」へと動き出す。(尚)

[朝鮮新報 2006.11.17]