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〈60周年を迎えた朝鮮学校の現場から〉 西播初中 「モア 西播! イオ 60!」

民族教育を応援、「あたりまえ」

 西播朝鮮初中級学校創立60周年記念フェスティバル「モア 西播! イオ 60!」が12日、同校で行われ、児童、生徒、教職員、学父母をはじめ同胞、卒業生らと近隣の日本市民ら1600人が参加した。

日本人の支援

朝青員らはゲームコーナーなどを担当、朝青姫路西支部「美人三姉妹」の姿も。

 開会後、同校の発展に多大な支援を行った日本人士らに許敬校長が感謝状を贈呈した。同胞の支援とともに多くの日本人の支持に支えられてきた同校の歴史を物語る象徴的な場面となった。

 姫路市教職員組合は1975年、ストライキに入り公共施設の利用が阻まれたとき、集会所として同校から体育館を借りた。その「恩義」を受けて以来、朝鮮学校の処遇を改善するためのさまざまな取り組みや同校との交流に力を入れてきた。

 同校の創立60周年に際し、姫教組は約2300人の組合員から集めた支援金を校長に贈呈。さらに当日、売店を出店し売上金をすべて寄付した。

 牛尾徹明執行委員長は「在日外国人の中では朝鮮人が一番多い。多文化共生と言われるが、地元の朝鮮学校と交流するのはごく自然なこと。市内でも交流の輪がどんどん広がっている」と語った。

同校で実施される「コマトンネ」で学んだ民謡を披露する低学年児童たち

 「姫路・朝鮮学校を支援する市民の会」も日ごろからの交流のみならず、学校運営に惜しみない支援を行ってきた。1月にはコンサートを開き、その収益金とテントを同校に寄贈した。

 同会の竹中隆一・姫路市議は市議会議長を務めた7年前、「すばらしい民族教育を施しながらも財政的な困難に直面する」朝鮮学校の実情を訴え、当時の市長の学校訪問を実現させ助成金の増額に大きく貢献した。

 竹中市議は「自分の祖国や民族、家族を愛するのは人類の原点。民族教育を応援するのはあたりまえ。党を超え、一人の政治家、一人の人間としてずっと応援していく」と語った。

若い世代が継承

 行事では児童、生徒らによる歌や踊りのほか、アボジ会、オモニ会、女性同盟、朝青、長寿会など地域の老若男女が出演する総合芸術公演が行われた。兵庫朝鮮歌舞団、同校出身の朝高生と金剛山歌劇団団員、河内屋菊水丸さん、金昌幸さんらも出演し、舞台を華やかに飾った。

 48人で構成された実行委員らを中心に若い世代の活躍で華やかに彩られた行事は、4回にわたる校歌の大合唱で幕を閉じた。

 「学校のために」一丸となる同胞ら、とくに若い世代の活躍に「親世代」も満足げな様子だった。

 同校教育会の趙陽済顧問(61)は、「若い人たちが先代の業績を受け継いでいることに感謝感激している。手足が動くかぎり学校のために尽くしていきたい」と新たな決意を述べた。(泰)

[朝鮮新報 2006.11.17]