「１支部１学校」の誇り胸に

園児たちによる「タルチュム」。会場には笑顔があふれた

　大阪朝鮮第４初級学校の創立６０周年記念行事「第４還暦チャンチ」が１０月２２日行われ、生徒、学父母、卒業生を含む同胞、日本人ら約１２００人でにぎわった。

　記念式典では、行事実行委員会の安公栄委員長があいさつし、日本人士らが祝辞を述べた。安委員長は「これからも３、４、５世たちに民族の言葉、歴史、文化を教えるために、先代が築いた伝統を受け継ぎ民族教育の拠点である学校を守っていこう」と述べた。

　式典では同胞、学父母の力と日本人の支援で購入されたスクールバスが寄贈された。また、オモニ会、青商会、朝青からも一輪車や図書といった寄贈品と、学父母らが１０月１日の在日同胞大祝典の農楽や合唱で受賞した賞金が贈られた。

　式典後、生徒らの公演が行われた。また大阪朝鮮歌舞団、大阪朝鮮吹奏楽団、民族学級生徒らも出演した。会場には焼肉やチヂミなどの売店が並び、同校の６０年の軌跡を卒業写真とともに綴った写真展も行われた。

　参加者たちは同級生や恩師との再会、子どもたちの話題など話しに花を咲かせながら６０周年を迎えた喜びを分かち合った。

伝統、若い世代に

「第４還暦チャンチ」は１２００人でにぎわった

　大阪第４の創立は１９４６年６月１１日。在日同胞が密集して暮らした大阪・猪飼野で産声を上げたこの地の民族教育は、日本政府の差別政策と自然災害を乗り越え、２５００人以上の卒業生を輩出した。

　６１年に木造２階建の校舎建設が始まったが、建設途中に台風で跡形もなく吹き飛ばされてしまった。しかし、同胞や学父母、教職員と生徒たちまで一丸となって校舎建設に立ち上がり完成させた。６８年には「１分会１教室運動」を展開し現在の鉄筋校舎を建設した。

　総連生野西支部管下となるこの地の同胞らは「１支部１学校」の誇りを胸に抱き、６０年間、学校を支え発展させてきた。熱い思いは若い世代に着実に受け継がれている。

　同校の学父母たちは支部、学校と協力し生徒、児童を受け入れるための宣伝、訪問に積極的に参加した。オモニ会はベルマークを集めノーパンク一輪車を寄贈。朝青生野西支部は学校支援のための一口１０００円運動を展開してきた。

　李剛士・朝青副委員長（３８期卒業生）は「学校や後輩たちのためとなれば朝青員たちが大きな力を発揮する。生徒たちには同胞社会発展に寄与する人材に育ってほしい」と述べた。（泰）

［朝鮮新報 2006.11.2］