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〈60周年を迎えた朝鮮学校の現場から〉 県下朝鮮初級創立60周年、神奈川朝鮮中高創立55周年神奈川同胞大祝典

「発展させてきた同胞に感謝を」

舞踊「月日が流れても」(中級部舞踊部)

 県下朝鮮初級学校創立60周年、神奈川朝鮮中高級学校創立55周年神奈川同胞大祝典が22日、神奈川中高で行われ、同胞、卒業生ら約3200人が参加した。

 真っ青に晴れた空の下、校門には朝鮮語で「民族教育を守り発展させてきた同胞に感謝を送ります」と、大祝典を訪れる人々を歓迎する看板が立っていた。

 開会式に続き特設ステージでは、幼稚園から高級部までの園児、生徒による芸術公演が行われた。県下初級学校高学年生徒の合唱「夢と希望を列車にのせて」、鶴見朝鮮初級学校幼稚班園児の遊戯「みんな元気いっぱい」、高級部舞踊部の舞踊「大樹のささやき」など、学校で学ぶ喜びを表現した公演に、同胞たちは惜しみない拍手を送った。ステージではまた、分会対抗歌自慢や金昌幸パフォーマンスなどが行われ、運動場の隅は朝鮮シルム(相撲)競技で沸き返った。

「学校が大好き」

笑顔で乾杯する卒業生

 植民地時代、厚木飛行場拡張工事や丹那トンネル工事などに強制連行された神奈川の同胞たちは横浜、川崎、横須賀などに朝鮮学校を建てた。

 正門から特設ステージへ向かう道筋には、県下初級学校と神奈川中高の歴代卒業生の写真や各学校の歩みを紹介する写真パネルが展示された。

 中北支部の朴四甲顧問(80)は、「解放直後故郷に帰った時、字と言葉がわからなければ恥ずかしいと、寺子屋式に朝鮮の文字を教えた。朝聯の頃はここで、日本の警官と闘ったこともある」と当時をふり返りながら、「でも、今日こうやって子どもたちがウリマルで歌い、踊っている。感慨無量だ」と述べた。

 この日会場を訪れた卒業生たちは、時が過ぎ、状況が変わっても、昔と変わらず同じ姿で神奈川・沢渡の地に建つ学校に来ると力が湧くと口々に言う。

 「子どもを朝鮮人に育てようとするなら学校を守らなければ。オモニたちの合言葉は『学校のために』」だと、各学校のオモニたちは当日売店で飲食物を販売した。

 神奈川中高の殷龍洙さん(高3)は、「祖国の愛や、1世、2世の血と汗のおかげで今日こうやって朝鮮人として堂々と勉強することができる。学校が大好きだ」と笑顔を見せた。(陽)

[朝鮮新報 2006.10.27]