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〈60周年を迎えた朝鮮学校の現場から〉 東京中高創立60周年記念祝典 

民族教育の誇りと希望に満ち

生徒たちの公演は観客に深い感銘を与えた

 在日朝鮮人の中等教育が始まったのは、今から60年前の1946年10月5日だった。東京・十条の地に建てられた東京朝鮮中学校の校舎は、爆撃のあともなまなましい日本陸軍の兵器廠、倉庫にあった。教育施設、教材など足りないものばかりだったが、民族教育に対する同胞たちの熱意は万難を乗り越える源だった。

 22日、東京朝鮮中高級学校で行われた60周年記念行事は、1世同胞から若い世代、学父母、卒業生ら6000余人でいつにない賑わいを見せた。

 開幕とともに披露された生徒たちの公演は、60年の歳月をふり返り、民族教育の昨日と今日、そして明日を詩の朗読と映像、歌と踊りで感銘深く表現した。

 舞台には、1期卒業生も招かれ入学当時をふり返った。

 孫晋N・朝鮮通信社顧問は学校が「民族の魂を植え付ける学びの場、愛国心を育てる覚醒の場、真の幸福を探求する思索の場」であったと熱く語った。

 同期の朴文侠氏(茨城県水戸市在住)は、東京中高の徽章である「3ペン」の思い出を語りながら「世界で一番よい学校で、一番よい勉強を、一番よい先生に学んでいる」と語り、これからも生徒たちが、祖国に寄与する立派な存在になってほしいと語った。

2万余人の卒業生

1日中賑わいを見せた生徒たちが出した屋台

 午後には、記念式典が行われた。

 この日の行事の成功と母校の教育的環境を改善するために、5月に結成された実行委員会はその間精力的に活動してきた。李大国委員長は事業報告で「一口1万円運動」を繰りひろげた基金班を始め施設班、行事班、同窓会班、未来教育班などの活動内容について言及し、「還暦を迎えて、これから新たな道を歩む東京中高の強化発展に大きな関心と協力を惜しまない」と語った。

 同校の具大石校長は記念報告で「今日、ウリハッキョを卒業した2万余人の卒業生たちは、総連の活動家、熱誠者、愛国的商工人として在日朝鮮人運動の主役の役割を果たしており、国際舞台で活躍する才能ある人材も多い」と指摘した。

 記念式典に引き続き行われた卒業生たちの公演「そのとき、その日のように」は、卒業生たちの母校愛、民族教育で培った才能を遺憾なく発揮した。また、WBCスーパーフライ級王者洪昌守選手など卒業生らが登場し、熱いメッセージを送った。

 この日会場は、女性同盟、オモニ会、生徒たちの売店で終始賑わい、人工芝が美しい運動場では、生徒と卒業生たちのスポーツフェスティバルが行われた。

 学校を訪ねた誰もが誇りに満ち、明るい明日を確信した楽しい一日となった。(成)

[朝鮮新報 2006.10.27]