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〈60周年を迎えた朝鮮学校の現場から〉 千葉初中 1世に感謝、「母校愛し守る」

記念大祝典に約1000人が参加

 会場のあちらこちらでこぼれる同胞の笑顔。熱気が舞台を包む。約1000人が参加した千葉朝鮮初中級学校創立60周年記念大祝典(17日、同校)は、同校の歩みを誇り、それを創造した先代への感謝と、地域同胞団結の場となった。

「影の功労者」

叙事詩「感謝! 未来への発信」は千葉初中が歩んだ60年を背景版でふり返った(大祝典第1部)

 大祝典当日、会場は卒業生らの熱気に終始包まれた。とくに30代の青商会の会員たちは、行事前日の準備作業から当日の後片付けに至るまで、行事成功に大きく貢献した「影の功労者」だった。また、「学校応援コーナー」を開設。「一口1000円」募金活動、応援タオル販売、ピビンバレンジャー撮影会なども主導した。

 20歳から30歳までの連合同窓会「オソルパラム」(1997年1月発足)は、リストバンドを販売。リストバンドには、卒業生らの連帯と団結の象徴として母校を愛し、永遠に守っていこうという想いが込められている。「すべての『オソルパラム』のメンバーにリストバンドが行き届くまでこの事業を続けていく」(許正浩会長、30歳)という。

各層網羅し実行委

華麗な舞台に見入る同胞たち

 千葉朝鮮初中級学校創立60周年事業実行委員会は、今年2月に発足した。教育会、アボジ会、オモニ会、女性同盟、青商会、朝青の若い世代の同胞ら22人で構成された。

 実行委員会はこの間、総連の各機関とタイアップし@大祝典成功のための準備、A学校補修工事(外壁の改修、屋上の防水化、講堂作り、トイレ改築)、B地域同胞の足跡をたどり沿革史を記録する事業などを行ってきた。

 また、60周年記念チャリティゴルフ大会(6月)に過去最大規模の316人を網羅したのをはじめ、学校補修、金剛山歌劇団公演準備を全同胞にアピールし、その力に依拠して推進した。沿革史をまとめる過程では、学校建設風景をはじめとする資料を手に、1500戸に対する宣伝事業を多様に行った。

 このほか、20代などの若い卒業生らは、期別に名簿整理と大祝典への参加呼びかけ、「愛校基金」事業を行った。

 支部と団体、分会同胞らも労働奉仕活動、学校支援基金および備品の提供、大祝典に参加する高齢同胞のための送迎バス準備などの活動を行った。

 60周年事業実行委員会の南利道委員長(55)は、在日同胞運動の中心には常に学校の存在があり、それはなくてはならないものだと強調する。また、60周年事業の道のりは「千葉同胞運動のさらなる飛躍のためのもの」とも語った。

 大祝典に先立ち、講堂で行われた記念の集いで呉伯根校長は、千葉初中の将来像について、次のように指摘した。

 「民族性と民族情緒が備えられる教育環境が整い、教育の全般的な分野で高い水準を保ち、学校と学父母、地域同胞がともに教育に携わり、日本の地域社会と深い連携をもつ開かれた学校を志向する」

 「60周年はひとつのきっかけ」−関係者らの一致した想いだ。(李東浩記者)

[朝鮮新報 2006.9.29]