西大阪初級で一般公開授業 市民団体が主催 「民族教育への理解深めよう」 |
270人が参加 西大阪朝鮮初級学校の第2回一般公開授業(主催=「西大阪朝鮮初級学校アプロハムケ」)が11日、同校で行われた。 児童らが安心して学校に通える環境を整えるため、多くの日本市民に朝鮮学校について知ってもらい、民族教育への理解を深めてもらおうと催したもので、地域同胞をはじめ、大阪府と市の議会議員、教職員組合員、各労働組合員、市民ら約270人が参加した。
参加者らはまず、付属幼稚班と初級部1〜6年の授業を参観。国語はもちろん、算数や社会などすべての授業を朝鮮語で行っていることに大きな関心を寄せるとともに、しっかりした朝鮮語で受け答えをする児童らの姿に驚きを隠せなかった。 とくに、6年の社会の授業で「6.15共同宣言」や、5月17日に総聯と民団の間で行われたトップ会談と共同声明などを取り扱うなど、在日社会の情勢の変化をいち早く取り入れていることに感心していた。 また、校内と教室に張られている児童の写真や作文などの展示物を熱心に眺めたり、質問したりする参加者も多く、展示コーナーに置かれた初中高級の教科書に興味深く見入る参加者らもいた。 授業参観後に行われたアプロハムケの総会では、結成からの1年間の活動を通じて得た経験を生かし、今後も朝鮮学校を知らせる活動や処遇改善を求める運動を積極的に展開していくことなどの活動方針が決められた。 つづいて行われた「民族教育の権利保障に向けて」と題する講演では、大阪朝鮮学園の蔡成泰理事長が出演。「行政との交渉において、主張せざる者に権利は与えられない」と力強く語った。 その後運動場で行われた交流会では、華やかな民族衣装に身を包んだ学生と園児らによる公演が行われ、参加者らは惜しみない拍手を送った。 最後に、金信正教育会会長の乾杯の音頭で懇親会が行われた。 アプロハムケの有元幹明代表は、行事が盛況だったことに謝意を表しながら、運動の継続性の重要さを強調した。 同校の金哲校長は、「このような行事が民族教育に対する理解を深めるきっかけとなり、それが処遇改善につながればと思う。そのためにも地域交流をさらに広げ、地域に根ざした学校として共生社会づくりの一端を担っていきたい」と語った。 アプロハムケは、地域の教育関係者や労働組合員、堺ハクキョの会(現在休校中にある堺朝鮮初級学校の支援団体として、全国に先駆けて過去14年間にわたって毎年、一般公開授業を行ってきた)の役員など、各階層の日本人らの発起により、日本人側と朝鮮人側の共催で昨年2月11日に初めて一般公開授業を行ったのを機に、昨年7月17日に結成された。 これまで、公開授業をはじめ民族教育に対する地道な支援活動を続けている。【西大阪初級】 [朝鮮新報 2006.6.22] |