〈60周年を迎えた朝鮮学校の現場から〉 東京第2初級 同胞、日本人が共に支援 「心のふるさと」守ろう |
15日に学校創立60周年を迎えた東京朝鮮第2初級学校は、東京都の理不尽な提訴(2003年12月)によって厳しい立場に立たされた。だが、60年間変わらぬ熱い思いで学校を支える地域同胞と学父母たち、そして民族教育に対する弾圧を繰り返す日本政府と東京都の対応に憤慨し立ち上がった日本市民らに支えられ、60周年をまたいで立ちはばかった学校存続の危機を乗り越えようとしている。 「全国のモデルケースに」
同校を支援する枝川裁判支援連絡会の佐藤信行さん(「RAIK通信」編集長)は「創立60周年は奇跡と言えるが、あたりまえのことでもある」と語る。海外で民族教育を行う学校が60年も続いていることは奇跡だが、民族教育が在日朝鮮人にとっての当然の権利だという意味ではあたりまえということだ。 「日本人が深く関わって朝鮮学校を守っていくことに重要な意味がある。全国のモデルケースになるだろう」(佐藤さん)。 佐藤さんをはじめ多くのジャーナリスト、学者らが呼びかけ人となり立ち上げられた枝川朝鮮学校支援都民基金には、多くの日本市民が賛同し、設定した目標額をいち早くクリアし、今年中に新しい通学バスが購入されることになった。 同校に子どもを通わすアボジたちは「早く裁判に勝って、古くなった校舎をきれいにしたい」「日本人の支援はとても心強い。チェーイー(第2)に子どもを入れてほんとによかった」と語る。 苦しい中でも守り抜く
以前は「初めに潰れる学校」のレッテルを張られたほどだったという。祖国解放前、枝川に強制移住させられた同胞たちは、「東京中のゴミが集まる場所」であらゆる迫害を受けながら苦しい生活を余儀なくされた。 だが、そんな中でも同胞たちは、子どもたちにウリマルを教え民族の誇りを与えるため、学校を建設し60年間守りぬいてきた。 15日に同校で行われた記念集会で記念報告を行った宋賢進校長は、裁判に勝って「昨日も今日も明日もわれわれみんなの心のふるさとである東京第2を守り発展させていこう」と呼びかけた。 同校オモニ会副会長の金洋子さんは「学校を作った1世たちと民族教育を発展させてきた先輩たちの伝統を受け継ぎ、必ず学校を守らなければならない」と語った。(李泰鎬記者) [朝鮮新報 2006.1.21] |