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在日朝鮮人への政治的弾圧をやめよ 日本の各団体、人士ら声明、談話発表

 総連東京都本部や兵庫県商工会に対する強制捜索など、日本当局が相次いで総連と在日朝鮮人に対する不当な政治弾圧を加える中、日本の各団体や人士らがこれに反対する声明、談話を発表している。日本朝鮮学術教育交流協会は4日、「日本政府、警察、公安は反朝鮮策動、在日朝鮮人への政治的弾圧をやめよ」というタイトルの声明を発表した。また、日朝文化交流協会の清水潤事務局長(朝鮮の自主的平和統一支持日本委員会・代表委員)は、「総連組織と在日同胞に対する日本当局の不当な強制捜索と弾圧を断罪糾弾する神奈川同胞集会」(6日)で連帯のあいさつを行い、みなさんは自信と誇りをもってこの難局を乗り越えて行けるとエールを送った。声明、発言を紹介する。

日本朝鮮学術教育交流協会声明(全文)

 朝鮮民主主義人民共和国が余儀なく核実験に踏み切らざるをえない状況までブッシュ政権が対朝鮮敵視政策をエスカレートさせる中で、朝米直接対話が反復され、朝鮮半島の非核化と朝米関係の正常化をメインテーマに6者協議がようやく再開される動きとなった。しかし、日本政府が共和国と在日朝鮮公民に対してとっている態度は、いつから日本はこんなに品のない、みにくい国になったのかと、良識ある国民の多くが嘆き、恥じ入る状況として続いている。

 しかし、日本政府はこの間、一貫してブッシュ政権の対朝鮮圧殺政策に追随、加担し、安倍政権発足後は、追随どころか「制裁」問題では先導的役割を果たし、政治権力とメデイアが一体となって、反共和国の立場に立った情報操作とキャンペーンを拡大してきた。そして、祖国との往来を遮断することをはじめとして、多様な形で、しかも在日朝鮮人の生活と権利の全分野にわたって「制裁措置」なるものを張り巡らしている。

 右翼勢力などの放火未遂や脅迫行為を放置しているだけでなく、在日朝鮮人の民族的諸権利の抑圧、規制を強め、芸術公演の妨害行為も野放しにしているなど、日本政府による弾圧は狂暴さを増している。しかも、情報操作や虚偽のでっち上げ、法律の恣意的適用や拡大解釈と歪曲が、政府、公安、警察、司法の手によって自由自在に行われ、在日朝鮮人に対する深刻な人権侵害が広範に広まり、排外主義があおられている状況は、日本の民主主義の深刻な危機的状況を示すものであり、世界人権宣言、国際人権規約、子どもの権利条約、そして日本の憲法自体にも違反する犯罪行為といわなければならない。どんな些細なことでもよい。反朝鮮キャンペーン、在日朝鮮人弾圧に活用できるものなら何でも事件化せよという日本の公安警察の態度は、およそ民主主義、人権擁護とは無縁の荒廃したものである。子どもたちのいじめに対する対策を論議しながら、朝鮮学校の児童、生徒に対するいじめ、暴言、暴行がすでに170件に達しても放置されている状況も、日本社会の深刻な歪みを示すものだ。病歴のある高齢の在日朝鮮人女性が祖国訪問に際して携行しようとした点滴パックを取り上げたり、規制するなどは、人間の尊厳を無視した非人道的暴挙である。

 私たちは、こうした状況が、日本自身の平和と民主主義、人権保障の理念を破壊しつつあることを自らの課題として受け止めなければならない。

 日本政府は、6者協議の再開に期待を表明してきた。「拉致」事件の真相糾明も求めている。しかし、日本政府がとっている一連の態度自体が6者協議に深刻な障害をもたらし、「拉致」事件の真相解明も困難にしている事実を反省すべきである。歴史的な平壌宣言にも明らかに違反している。

 私たちは、日朝関係と在日朝鮮人をめぐる歴史的経緯の上に立って、いっさいの民族差別、弾圧と「制裁」をやめ、日朝関係の正常化と、民族的諸権利を完全に保障するよう政府に要求する。また、日本政府と関係省庁、自治体や警察、公安、そして「メディア・ファシズム」とも言うべき状況をもたらしているマスコミに対して、日朝友好を願う人たちの全てが要求、要請を強めることをお願いしたい。さらに、政党や民主団体も、正しい観点と態度を貫くことができるように努力しなければならない。そして、地域における日朝連帯を基礎に、事態の抜本的改善に向けて前進できるようみなで努力することを訴える。

 日本教職員組合、在日本朝鮮人教職員同盟との提携を基礎にして、各県教職員組合、高教組、各地の研究会が結集して、日朝教育交流、日朝友好連帯運動、民族学校支援運動などに取り組んできた日本朝鮮学術教育交流協会は、幾多の苦難を乗り越えて在日朝鮮人民族教育が60周年を迎えたことを共に祝賀し、平和、民主主義、真実と正義を貫く教育、民族教育権の完全保障をめざして共同の努力をさらに強める。

清水潤・日朝文化交流協会事務局長発言(要旨)

 (日本)政府とマスコミは拉致の問題をきっかけにして、共和国の行っているすべてが、あやしく、けしからん、というように「短絡的」で「絶対悪」扱いしている。

 そこで私たちは正常な感覚で、マスコミが流す共和国報道に「世間の常識が実は非常識」ということを叫び続けなければならない。

 政治家もマスコミも、民主主義国家ニッポン」と叫んでいるが、本当に日本は民主主義国家なのだろうか。総連をはじめとする在日朝鮮人へのいやがらせと「弱い者いじめ」の現実は、依然として大日本帝国当時の枠の中から抜け出ていないと思わざるをえない。

 崇高な民族の血が流れているみなさんは、自信と誇りをもってこの難局を乗り越えて行ける。

 一日も早い南北朝鮮の自主的平和統一と、日朝国交正常化の実現を熱望する。

[朝鮮新報 2006.12.11]