県商工会に対する強制捜索を糾弾する兵庫県朝鮮人緊急集会 |
団結し、不当弾圧に抗議
県商工会に対する強制捜索を糾弾する兵庫県朝鮮人緊急集会が6日夜、総連兵庫県本部会館講堂で行われた。会場は総連兵庫県本部の李文伊委員長、兵庫県商工会の金承鎬会長をはじめとする商工会役員と県下の活動家、同胞ら350余人で埋め尽くされた。 集会ではまず、県商工会の金英俊理事長が不当な強制捜索(5日)に対する怒りを強い語調に込め、緊急集会報告を読み上げた。 金理事長はいわゆる「税理士法違反」容疑という名目で兵庫県商工会と同阪神経理室、県内在住の同胞宅など7カ所への捜索と任意同行を乱暴に行った日本警察当局の破廉恥な策動について次のように詳しく説明した。 日本政府は、
総連の商工団体である県商工会が「税理士法」に違反し不法に金を集め、朝鮮に送金しているというねつ造した情報を大々的に流している。そして「脱税と送金の組織体系を解明する」という口実で200余人の警官を朝7時から動員し県商工会館を封鎖した。さらには役員名簿など今回の事件となんら関連のない台帳、資料などを出すように迫った。
商工会は、日本の法を遵守し、同胞商工人らの企業権、生活権の擁護、経営相談などあらゆる便宜をはかってきた。にもかかわらず今回の容疑と商工会の活動を無理やりに関連付け、政治的に作成された脚本にそって 総連組織を抹殺しようとする意図も露骨に、同胞の商工会組織に対する信頼感を失墜させ、財政の源泉を断ち切ろうとした。 金理事長は、今回の不当捜索、在日同胞への策動を団結した力で断固排撃し、そして不当な政治的圧力にいっさい屈することなく同胞とともに闘い、来年の 総連第21回全体大会と兵庫県商工会結成60周年を輝かしく迎えるため、「6カ月運動」を力強く推進していこうと呼びかけた。 報告後、「対話で平和を! 日朝関係を考える神戸ネットワーク」の高橋秀典代表、元社町議会の友井公一議員、「民族学校を支える女たちの会」の山村ちずえ会長が連帯のあいさつを行い、地域商工会役員と各機関、団体の活動家ら4人が強制捜索への怒りを露にした。 緊急集会では、日本当局の不当な弾圧に反対する兵庫県対策委員会の発足案と兵庫県警に対する抗議団結成構成案が提議され採択された。 会場は、日本政府に対する怒りに満ち、不当弾圧を糾弾する兵庫県下同胞らの熱気であふれていた。 6時間に及んだ闘争 この日、県商工会の金承鎬会長、金相圭顧問、地域商工会の役員ら、県青商会の会長をはじめとした同胞らは、職員らとともに会館内で不当な強制捜索に強く抗議した。 会館前では同胞商工人らと青年ら、女性らが「不当捜索をやめウリ(私たちの)会館から出て行け!」「警察権力の濫用だ!」「目的がどこにあるのか!」「税理士法違反容疑でなぜ県警がくるのか!」などと抗議行動を行った。物々しい雰囲気に足を止める市民ら。同胞らは「警察当局は不当捜索を即時中止せよ!」「警察当局の暴挙を糾弾する!」「不当弾圧反対!」などと書かれたプラカードなどを手に力強いシュプレヒコールを続けた。 9時50分過ぎ、 総連兵庫県本部の拡声器を備えた車が到着し、シュプレヒコールはさらに高まった。 「マスコミの方々もぜひ聞いてください。今日の強制捜索のせいで私たちのこどもたちが被害を被るのです。むやみやたらに報道しないでほしい」「朝鮮学校の児童、生徒らはいつも脅えながら通学している。あなたたちにも責任がある」 同胞らの糾弾、抗議は約6時間にも及んだ。集まった同胞の数は150人を超えていた。 用意周到だった当局 会館の入口を遮断した警官らは「選別して中に入れろ」などと言いながら出勤する県商工会の職員らを検問した。そして、会館と同胞の間にフェンスを挟み警備体制を強いた。 会館前を県警の車、約40人の警官が取り囲んだ。県警の機動隊車も近くに数台待機。辺りは物々しい雰囲気に包まれた。右翼の街宣車が約10回も県商工会付近の道路を巡回した。 日本の新聞社、通信社、テレビ局ら約10社が待機した。朝7時前に「到着」した記者もいた。 同胞ら、体を盾に ダンボールを携えた警官らが会館から出てきたとき、同胞青年らを先頭に激しい抗議活動が行われもみあいとなった。警棒で殴られ血を流す青年、足を打撲した青年、警官の盾と盾の間に挟まれ危険な状態に陥ったり、涙を流す若い女性たち。そんな姿が会館前に繰り広げられた。体を盾に組織を守ろうとする青年らは果敢だった。 朝青本部の徐正斗総務部長は、「 総連組織を抹殺しようとする意図が露骨であり、われわれの怒りは絶頂に達している。1、2世が固守してきた組織と権利をわれわれ新しい世代が団結した力で守る」と固い決意を表明した。(李東浩記者) [朝鮮新報 2006.12.8] |