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国会前で同胞青年らが座りこみ 「万景峰92」号入港再開を 人権侵害、迫害に絶対反対

 朝鮮が実施したさる7月のミサイル発射訓練、10月の自衛的戦争抑止力強化のための核実験以後、日本政府が独自の「制裁」措置を実施する中で、在日朝鮮人に対する民族差別と迫害行為が社会的に助長され、事件が相次いで起きている。朝鮮学校生徒らに対する暴行やいやがらせは169件にものぼり、総連機関に対する放火、破壊、脅迫事件などは200件を超えた(10月末現在)。また、「万景峰92」号入港禁止措置と在日朝鮮人に対する再入国許可の規制、総連施設に対する固定資産税減兔措置の取り消し、金剛山歌劇団公演の妨害および施設使用不許可など在日朝鮮人に対する初歩的な人権と生活権が著しく蹂躙されている。こうした状況を打開していこうと、在日本朝鮮青年同盟(朝青)、在日本朝鮮青年商工会(青商会)、在日本朝鮮留学生同盟(留学同)の青年3団体が中心となり8日から12日まで東京をはじめ北海道、愛知、京都、大阪、広島などでいっせいに「緊急行動」を起こした。

有楽町駅前でも連日ビラ配布

東京・有楽町駅前で街頭宣伝を行い、在日朝鮮人に対する民族差別と迫害行為をやめるよう訴える同胞青年ら

 都内では在日同胞、青年らが8日から10日まで国会前で座り込み、ビラ配りを行った。連日100人を超す同胞らが「万景峰92」号入港禁止措置の撤回、朝鮮学校生徒らに対する迫害と総連に対する破壊テロ行為の中止などを求めた。

 参加者らは、「お願い、家族に会わせて 人道の船、『万景峰92』号の運航再開を」「幼い朝鮮学校生徒に対する暴行、いやがらせはNO! 絶対許されない」などと書かれた横断幕、プラカードを持って座り込みを行い、「日本政府は人道の船、『万景峰92』号に対する不当な入港禁止措置を撤回しろ」「不当な民族差別を許すな」などのスローガンを叫んだ。

 また、通行人にビラを配り、在日同胞の人権と生活権が踏みにじられている現状を知らせながら、過去の植民地支配によって日本に住まなければならなかった在日朝鮮人の権益を日本政府は当然保障しなければならないと広く伝えた。

 朝から夕方遅くまで行動を行っている青年らを励ますため、現場には総連各機関の活動家、同胞らが赴き、激励金や飲食物などを差し入れた。

 同胞青年らはまた、東京・有楽町駅前でも10日から12日まで街頭宣伝を行い、人権と生活権が脅かされている在日同胞の立場を幅広い市民に訴えた。

議員、市民団体から連帯のメッセージ

国会前で座りこみ、「万景峰92」号入港禁止措置の撤回などを求める同胞青年ら

 10日夕に行われたキャンドルデモには、同胞らとともに日本の市民団体も合流し、参加者は200人に達した。

 参加者が叫ぶスローガンを直接耳にした社民党、民主党所属の国会議員らは、参加者らを議員会館内事務室に招き入れて行動に支持を表明し、激励した。また、通行人の中には「がんばってください」などと励ます人が少なくなく、青年らと席をともにしながら一緒にスローガンを叫んだり、激励金を手渡す市民もいた。

 日本の数多くの市民団体、海外の同胞団体、南朝鮮の青年団体からも連帯メッセージが寄せられた。

 日本と海外のメディアも大きな関心を寄せて報道した。

集会、行動継続を決意

 10日午後、緊急行動参加者らの集会が行われた。

 高徳羽総連中央副議長兼同胞生活局長の激励のあいさつに続き、大阪府青年団協議会の山口大介会長、日朝友好関東学生会の後藤由耶日本人側代表が連帯のあいさつを行った。

 集会報告、参加者の発言のあと、呉泳哲朝青中央委員長が国会前で毎月行動を行うなどを提起し、満場一致で決定された。

 朝青東京・中杉支部委員長の朴相民さんは、「核実験と子どもらが何の関係もないことをもっと多くの日本の人々に知ってもらい、子どもらが安心して遊べる社会環境が整うまで行動を続けていきたい」と語った。

大阪主要駅で街頭宣伝 本部、支部などがいっせいに

 大阪(梅田)、天王寺、京橋など大阪府内の主要駅前で9、10の両日、街頭宣伝が延べ270人の参加のもと行われた。(写真)

 金奉亨総連大阪府本部委員長をはじめ本部と支部、商工会、朝青、女性同盟、青商会の活動家、各学校の教員らが参加した。また、日本の弁護士や「日朝国交正常化の早期実現を求める市民連帯大阪」「1%の底力で朝鮮学校の民族教育を支える会」など市民団体も合流した。

 参加者らは、「ストップ! 人権侵害・在日朝鮮人に対する迫害は許されない」などと書かれた横断幕を持ち、ビラを配りながら、在日朝鮮人の基本的人権擁護、「万景峰92」号の入港再開などを訴えた。

 総連大阪府本部では今後も、日本政府の不当な弾圧に反対する大々的なキャンペーンを繰り広げていく予定だ。

[朝鮮新報 2006.11.17]