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〈金昭子・女性同盟中央委員長の再入国許可保留問題〉 総連愛知県本部で記者会見

「在日朝鮮人に対する重大な人権侵害」

 金昭子・女性同盟中央委員長の再入国許可を名古屋入国管理局が保留したことと関連し、総連愛知県本部で6日、記者会見が行われた。

 会見には河貞鳳・総連本部委員長と金昭子・女性同盟中央委員長、李博志・総連本部副委員長が参加した。

 会見では李博志副委員長がこれまでの経過について説明したのに続き、金昭子委員長が現在の心境を語った。

 金昭子委員長は、自分が在日2世であり特別永住者であることを強調し、朝鮮に約100人の親せきがいることと、これまで約20回にわたって再入国許可(単次、数次)を申請したがこのようなことはなかったと指摘。入管が不許可の理由について明らかにしないことについて怒りを禁じえないと述べた。また、在日朝鮮人の諸権利と歴史背景に鑑みても決してあってはならないことだと述べながら、在日朝鮮人に迫害を加えることは許せないと語った。

 そして、今回の問題は個人の問題ではなく在日朝鮮人全体の問題であり、入管当局は再発防止のための措置を講じるべきだと指摘した。

 つづいて河貞鳳委員長が発言した。

 河貞鳳委員長は、在日2世(特別永住者)に対する再入国許可は即日交付が原則であると述べながら、これに違反することは重大な人権侵害だと指摘。総連が過去50年にわたったたたかいを通じて獲得してきた諸権利を当局がこのような形で剥奪していくことに怒りを禁じえないと述べながら、在日朝鮮人を人質に政府間交渉を有利に運ぼうという政治的意図があるとしか考えられないと述べた。

同胞ら、理由の説明求める

 記者会見終了後、金昭子委員長と同胞ら約30人は名古屋入国管理局丸の内分室を訪ねた。

 本人の強い要望により、金昭子委員長の再入国許可は8日後にようやく下りたものの、時間がかかったことに対する入管側の説明はなかった。

 同胞らはそのまま入国管理局本局に向かい、説明を求めたが、入管職員は「事務手続き過程に対する説明はできない」「即日交付できない事情があった」との主張に終始し、誠実な対応をしなかった。

 これに対し同胞らは、「在日朝鮮人の人権を蹂躙するな!」「入管局長は在日同胞の声に誠実に対応しろ!」「再入国許可を保留した理由を明らかにしろ!」などのシュプレヒコールを叫びながら、局長との面談を求めたが、入管側は「これ以上説明することはない。局長とは会えない。これで終わりにする」と述べるにとどまった。

 総連愛知県本部では、今回の問題を在日朝鮮人全体に対する人権侵害と受け止め、引き続きたたかいを展開する方針だ。

[朝鮮新報 2006.3.7]