top_rogo.gif (16396 bytes)

「分局長アガシ」

 「♪プングッチャンアジョシガ ナヌン チョアヨ(分局長のおじさんが私は好きです)」

 初級部の頃、音楽の時間に習った歌だ。朝鮮学校に通った人なら、歌詞のこの部分だけでもメロディーを口ずさめる人は多いと思う。今でも、幼いころの忘れられない大好きな歌のひとつで、たまに鼻歌で歌ってしまう。

 「プングッチャン」。この単語の重みを知ったのはちょうど1年前のことだ。昨年末から今年の春にかけて、平壌特派員として朝鮮を訪れた際、朝鮮新報記者だと名乗ると、相手側からは合言葉のように「ウンビニョ(銀のかんざし)」という言葉が返ってきた。

 80年代生まれの記者だけに、その意味がわからなかった。見るに見かねた先輩記者が「ウンビニョ」を手に入れ、「鑑賞会」を開いてくれた。それは、80年代に作られた「朝鮮新報分局長」を主人公にした朝鮮映画だった。

 それまで、遊び半分で歌っていたあの歌に登場する「プングッチャンアジョシ」がそこにいた。言葉にならない熱い思いがこみ上げてきた。

 先日、友人の朝青イルクンと話す機会があった。彼女は支部で新報配達と集金を受け持っている。同胞宅に配達に行くと、たまに「分局長アジョシが来た」と声をかけられたりするそうだ。そこで彼女は、「アジョシ」ではなく「分局長アガシ」だというツッコミを忘れない。

 「分局長アガシ」が胸をはって同胞の家に届けられる紙面を作っていきたい。(陽)

[朝鮮新報 2006.12.19]