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日本と朝鮮半島の「次代」を創る学生フォーラム 葛藤と対立乗り越え友好を

 「葛藤と対立を乗り越えるために、今私たちに何が必要なのか…まず、ともに考えませんか」と参加者に問いかけた「日本と朝鮮半島の『次代』を創る学生フォーラム2006〜日本と朝鮮半島の未来を、今こそ共に考えませんか?」は、講演、パネルディスカッション、リレートークの3部構成で進行した。

 第1部では、一橋大学の鵜飼哲教授が「戦争の克服」というタイトルで特別講演を行った。第2部ではパネルディスカッション「若手在日朝鮮人研究者からの提言」と題して、朝鮮大学校朝鮮現代史講座助手の李柄輝さん、一橋大学ジュニアフェローの高一さん、一橋大学博士課程在学中の鄭栄桓さんが出演した。第3部のリレートーク「日朝友好活動の実践」では、師岡康子さん(弁護士)、李泳采さん(慶應義塾大学博士課程在学中)、金聖蘭さん(東京朝鮮第5初中級学校教員)、筒井由紀子さん(KOREAこどもキャンペーン事務局長)、米津篤八さん(北朝鮮人道支援ネットワーク・ジャパン)が発言した。

フォーラム第2部のようす

 特別講演で鵜飼教授は、朝鮮の核実験に憂慮を示しながらも、「東アジアの平和構築においてこの問題のみがわれわれの視野を占めていることは非常に深刻な事態だ」と述べた。

 また、日本における憲法改正は「平和の高度化」を放棄することだと指摘、若い世代が民族を超えた歴史知識を持つことを強調した。そしてこれらの作業は、日本社会の反朝鮮排外主義に抗する民族間の分断を超えた対話と学習の場、共同かつ公共の呼びかけの主体を形成することによって可能だと主張した。

 パネルディスカッションでは鄭さんが在日朝鮮人をめぐる視点について話しながら、自らが感じている「危機」「緊張」とは何なのか、それをどのような「言葉」で表せるのかを共有していきたいと述べた。

 李さんは朝・日間の「友好」には双方にそれぞれ異なった課題があると強調しながら、お互いがそのことを認識して克服し、友好を築いていこうと主張した。

 3部のリレートークでは、それぞれのパネラーが日朝友好への取り組みを語った。メディアの報道に対して、常に批判的視点を持って接していく必要性も一致して指摘していた。

 また会場では、京都の朝・日学生による「朝鮮学校パネル展」や、朝鮮の人びとの素顔を伝える写真展なども行われた。

 参加者からは、「在日朝鮮人研究者の意見を聞く機会はまれなことなので、非常に興味深かった。彼らのするどい視点にハッとした」「拉致、核問題に名を借りた朝鮮バッシングや排外主義に情けない気持ちになる。早期の日朝交渉再開と自由往来が実現されるべき」といった声が寄せられた。(呉陽希記者)

[朝鮮新報 2006.12.11]