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2日、東京・池袋 東京芸術劇場でシンポ 「朝鮮女性の歩んだ道と私たちの生き方」

宋連玉・青山学院大学教授が講演 パネルディスカッションも

 2日、東京・池袋の東京芸術劇場大会議室でシンポジウム「朝鮮女性の歩んだ道と私たちの生き方」が開かれる。

 主催するのは、「同胞女性協議会」。同胞女性たちが抱えるさまざまな問題を解決するための研究を目的として、04年9月に発足、05年11月、姜秋蓮総連中央女性局長に、同胞女性たちの生の意見を反映した処遇改善を提起する提言書を手渡した(写真)。同協議会はその間、山田昭次・立教大学名誉教授を講師として招いた勉強会や研究テーマ別の意見交換を重ね、同胞女性たちを対象にその実態や要望などを調査、分析するためのアンケートなども実施した。

 こうした試みの背景には、01年5月に開かれた総連19回全体大会での「同胞女性、とくに新しい世代の女性の活動を彼女らの志向と生活のニーズに合わせて改善し、女性運動においての自立性と特性を生かすように支援すべきだ」という方針が示され、04年の同20全体大会でも「愛族愛国運動において新しい世代の女性たちの役割を高める」べきだと指摘されたことがある。

 今回のシンポもこうした在日同胞女性の力強い歩みと志向性を反映したもので、内外の厳しい情勢のなかでも、より知的でエネルギッシュな活動を進めようとする試みの一つである。

 シンポの第1部では、宋連玉・青山学院大学教授(朝鮮近代史専攻)が基調報告「近代の朝鮮女性と在日同胞女性」を行う。

 同教授は先月だけでも2回にわたって国際シンポの講演者を務めた。その一つが10月21日、東京外大で行われた戦後東アジアプロジェクト・国際共同シンポ「植民地主義とディアスポラになった朝鮮人女性たち」である。ここで、同教授は、解放後も親日派が政治の主役として登場した南の軍事政権下で、朝鮮戦争を経て、南北の分断固定化が進むとさらなる離散家族、ディアスポラを生み出し、南での米軍基地の存在がその周辺に生きる女性の新たなディアスポラ化を生んだと指摘した。

 こうした鋭い問題意識にたって同教授は近年、世界各地に暮らすコリアン・ディアスポラ女性たちに交流を呼びかけ、声を寄せ合い、出会うことによって、植民地主義そのものを包囲する脱植民地主義への知の力につなげていきたいと強調する。

 また、第2部では「わたしたちの生き方」と題して金静媛・山口朝鮮人強制連行真相調査団事務局長ら3人によるパネルディスカッションが行われる。

 金さんは元朝鮮新報記者で一女の母。記者時代の強制連行被害者との強烈な出会いと衝撃に突き動かされて、結婚後も子育てとの両立をしながら、同調査団の重責を果たしてきた。女性が働くうえでのさまざまな困難を克服しながら、初志貫徹する姿は多くの女性たちの共感をよぶことだろう。ほかの2人のパネラーも各界で幅広く活動している。コーディネーターは「安・かながわ外国人すまいサポートセンター副代表。

 日時=12月2日(土)、開場15時30分、開始16時。

 場所=東京芸術劇場大会議室(JR・地下鉄「池袋」駅西口下車徒歩3分。2b出口すぐ)

 資料代=500円。

 問い合わせ=TEL 03・3262・7111(李)

[朝鮮新報 2006.11.29]