第11回東大阪国際交流フェスティバル 文化は違えど共生の願いはひとつ |
「互いの違いを豊かさに」 第11回東大阪国際交流フェスティバルが3日、大阪・布施の三ノ瀬公園で開かれた。現在、「アジアの街・世界の街」東大阪市には、57カ国1万8935人の外国人が暮らしている。市民100人のうち4人が外国人にあたる。「アンニョン」「こんにちは」「ニーハオ」−各国の言葉と料理、歌と踊りに包まれた会場で、参加者らは国際交流の輪を広げ、秋の一日を楽しんだ。 「国際交流の広がりを」
「国際交流の広がりを」をテーマに「互いの違いを豊かさに高めたい」と同フェスティバルの主催団体には、総連東大阪南支部、東大阪北支部、東大阪東支部、東大阪商工会、東大阪朝鮮初級学校、同教育会、民団の3支部、日本の教職員組合、夜間中学校、各国の各種団体など26団体が名を連ねた。後援は東大阪市と同市教育委員会、自治協議会、商工会議所で、呼びかけ団体は特定非営利活動法人東大阪共生ネットワークだ。 「市民手作りのお祭り」に共生ネットワークの田村幸二氏は、この10年で地域社会に多文化共生が根付きつつある手応えを感じながら、「今日は出会いの一日」と笑顔を見せた。
オープニングでは共同代表による開会宣言に続き、共同作業でくすだまが割られた。 主催者代表は「友情が国籍、民族、宗教の壁を越え、世界の人々の心がひとつにつながると信じている」とあいさつした。 そして手話を交えて中国、フィリピン、朝鮮、韓国の合同司会のもと、舞台にはサムルノリ、中国舞踊、琉球舞踊、中国の獅子舞、ハワイアンダンス、テコンドー演舞などが次々と上がり、日頃見慣れない歌と踊りに観客席からは拍手が巻き起こった。東大阪初級の舞踊部、日本学校在学朝鮮人学生会、女性同盟東大阪ムグンファコーラスも舞台で華麗な歌と踊りを披露した。 ムグンファコーラスは「めっちゃキレイ」「かわいい」と大人気だった。「珍しい音がする」と自転車を止め、街行く人もしばし聞き入っていた。 各国料理も勢ぞろい
舞台の下でも多文化は止まらない。ベトナム春巻き、チャイ、どて焼き、トッポッキ、ちまきなどが軒を連ね、ここで出会えない「アジア」はないと言っても過言ではないほど充実していた。中でも「コリアンパワー」は随一か、「マッコルリ」「チヂミ」の看板が目立ち、味を競い合っていた。東大阪初級の「オモニ売店」は早々と完売を決め、「場慣れしているからね」とピースサインを出した。 各国の料理を頬張るのはもちろん各国の人々で、何を言っているのかよくわからないが、とても楽しそうだった。同胞も多数参加し、慣れた手つきでブルーシートを広げるとワンタン、餃子、おでん、キムチを肴に宴会を始めた。 顧問たちは舞台をみながら「なんだか『4月の春芸術祝典』みたいだな」と話していた。 東大阪北支部荒川分会の李尚雨分会長は「昔からうちの分会は仲良くやってきた。日本社会にも『ウリトンネ』がもっと広がればいい」と語りながら、「あれもこれもおいしいけどやっぱり自分にはキムチかな」と笑った。
正午には駅を出発点にパレード行進が行われた。共同代表を先頭に総連、民団の統一農楽隊、中国、ベトナムの隊列が続いた。民族衣装に身を包んだパレード隊の行進に思わず足を止め、カメラを構えて見送る人もいた。わけもわからず、ともに行進する子どもたちのほほ笑ましい姿もあった。 パレード隊の民族音楽に合わせ会場では愉快な踊りが始まり、一番の盛り上がりを見せた。 あいさつと料理は違えど、共生を願う人々の笑顔があふれていた。(鄭尚丘記者) [朝鮮新報 2006.11.27] |