そこが知りたいQ&A−総連中央委員会で何が決まった? |
来年5月に21全大会 12月から「6カ月運動」展開へ 東京都千代田区の朝鮮会館で16日、総連中央委員会第20期第3回会議が開かれた。会議では、来年5月に総連第21回全体大会(21全大会)を開催。それに先駆けて、来月12月から来年5月まで「6カ月運動」を繰り広げていくことなどが決まった。今会議の内容をQ&Aで見た。 Q 今会議の目的と特徴は何だったのか。 A 今回は、昨年9月の第20期第2回会議以来の開催だった。第2回会議を簡単に振り返ってみると、総連結成(1955年5月25日)50周年記念事業で収めた成果を土台に、激動する情勢の中で総連の愛族愛国運動に求められている課題をどのように遂行し、新たな段階へと強化発展させていくのか、という問題が討議された。 今会議は、この期間に達成された成果を総括したうえで、結成以来かつてない厳しい状況の中で総連組織を守り、全同胞が一丸となって愛族愛国運動を展開していくための対策を討議し、合わせて21全大会の開催日程を決める目的で行われた。 今会議の特徴は、とくに愛族愛国運動の課題を遂行していくうえで、必ず成し遂げられるという信念を持つことの重要性が強調されたことだ。 そのことは、徐萬述議長が「新たな信念と気概を抱いて現情勢に対処し、愛族愛国運動をさらに力強く繰り広げ、輝かしい事業成果で21全大会を迎えることについて」とのタイトルで報告したことからも窺える。 Q 朝鮮および総連を取り巻く状況については、どういう認識が示されたのか。 A 報告は現在、朝鮮には強盛大国の黎明(夜明け)が訪れているという金正日総書記の指摘を引用し、「朝鮮人民は強盛大国建設に向かって世紀的変革の新たな突破口を切り開いている」「わが国は、苦難が去り幸福が訪れる運命的な新たな歴史的段階に差しかかった」と強調した。 そして去年2月の核保有宣言に続いて、今年7月5日の自衛的国防力強化のためのミサイル発射訓練、10月3日の核実験予告と9日の実施成功、10月末の6者会談再開合意に至る過程は、米国の朝鮮孤立圧殺と制裁包囲網拡大策略が挫折していることを物語っていると指摘した。 反面、総連を取り巻く状況については「結成以来なかった厳しい情勢」だと分析。総連事業と在日同胞の生活は、総連と同胞を制裁騒動の対象にしながら行われている日本当局と右翼反動勢力の民族的迫害と人権侵害、卑劣なテロ脅迫と危険な反朝鮮人風潮の中で、ひどく脅かされていると強調した。 Q 来年開催される21全大会については、どのように位置づけられたのか。 A 21全大会は来年5月、東京朝鮮文化会館(東京都北区)で2000人規模の参加のもとに開催されることが決まった。 その位置づけは、「20全大会決定を執行した成果に基づき、今日の情勢発展と在日同胞社会の新たな状況に対応した主動的な方針を展望性をもって明示することによって、新しい世紀の総連事業と在日朝鮮人運動への前進を宣言」し、「総連の団結と力を誇示する勝利者の大会」「総連組織を守り抜き、在日朝鮮人運動の新たな高い段階への里程標を立てる歴史的大会」というものだ。 Q 「6カ月運動」の展開も決定されたが。 A 正式名称は、「21全大会を輝かしい事業成果で迎えるための6カ月運動」だ。このような月間を設定した大衆運動形式は、重要な契機ごとに総連が伝統的に行ってきたものだ。 前述したように、21全大会は厳しい情勢の中で行われる。それだけに、大会に臨む決意、総連事業遂行における態勢を新たに転換しなくては、21全大会に向けた多くの課題を成し遂げることは困難だ。全組織、全活動家と同胞が一丸となってそれを達成し大会を迎えようという趣旨で提起、決定された。 Q 「6カ月運動」の具体的な内容はどういうものなのか。 A 会議では従来、設定されてきた「課題」ではなく「目標」として大きく以下の5項目を掲げた。 ▼総連活動に対する信念と確信、熱い同胞愛で固く団結し、愛族愛国運動を繰り広げる▼民族教育文化と同胞生活奉仕、福祉の2大中心柱事業の目標を達成して、総連を同胞から愛され支持を受けられる真の同胞組織としてさらに強化発展させる▼大衆運動と対外事業を強力に推し進め在日同胞の生活と権利を守る▼朝青など新世代の活動家と同胞を積極的に押し立て、運動の確固とした継承者として育成する事業に大きな力を注ぐ▼広範な同胞らの力を集結して運動の財政問題を解決する Q 5つの目標達成の展望は? A 活動家らは、目標は必ず達成すると意気込んでいる。この間、厳しい状況下で勝ち取り積み上げてきた実績が大きな自信となっている。 最近だけでも、10月1日に大阪城公園で中等教育実施60周年記念在日同胞大祝典を3万2000人同胞の参加のもと盛大に行った。そして、今後も民族教育を在日朝鮮人運動の生命線として守っていくという同胞らの気概と団結力を内外に強くアピールした。日本各地でも同様の記念行事が相次いで行われた。「民族教育の象徴」ともいえる最高学府の朝鮮大学校創立50周年も意義深く記念した。 日本当局は、「万景峰92」号の日本入港禁止などの制裁措置によって祖国と在日同胞を引き離そうとしたが、意に反して多くの同胞、朝鮮学校生徒、学生らが空路を利用して平壌を訪問。7月の水害時には支援運動も展開した。 さらに、岡山、秋田などで広範な日本の市民の支援のもと右翼反動勢力らの妨害を振り払って金剛山歌劇団公演を実現させた。 また、「万景峰92」号の入港再開を要求し、在日同胞に対する人権侵害と迫害を糾弾する座り込み、ビラ配りなどの街頭宣伝活動が11月8日から各地でいっせいに繰り広げられている。 これら一連の動きは、総連の持つ団結の力、潜在力を示している。 「6カ月運動」は、活動家と同胞らの熱意によって大きな成果を収めるだろう。(姜イルク記者) [朝鮮新報 2006.11.24] |