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茨城県朝鮮人慰霊塔慰霊祭 同胞、日本人士ら約150人参加

同胞らの協力により新たに修復、整備された慰霊塔

 台風の余波がのこる強風の中、茨城県朝鮮人慰霊塔秋夕同胞慰霊祭(同管理委員会主催、権泰福委員長)が10月7日、茨城県日立市の平和台霊園で行われ、県内の同胞、朝鮮学校生徒、日本人士、関係者ら約150人が参加した。

 参加者はまず、犠牲者らに黙とうを捧げ冥福を祈った。つづいて、朝鮮学校女生徒らが「故郷の春」を合唱し霊を弔った。

 集いでは日立市の樫村千秋市長、歴史研究家の相沢一正氏、朝鮮人強制連行真相調査団からのメッセージが紹介された。

 集いに参加した2、3世の管理委員たちは、二度と不幸な歴史をくり返させないこと、歴史の事実を風化させないことを深く胸に刻み、平和な時代を築いていく決意を持って慰霊塔をしっかり守り大切にしていくことを参列者とともに誓い合っていた。

2、3世が修復

慰霊祭には約150人が参加した

 日立鉱山には、県内でもっとも多くの朝鮮人が連行され就労した。落盤事故や栄養失調で多くが犠牲になり、過酷な労働、ひどい虐待に反抗した事件(逃亡)も頻繁に起きた。自殺者も多く出たという。

 1945年、祖国解放までの約8年間で犠牲になった朝鮮人労働者は600から700人と言われ、そのほとんどが無縁仏である。

 この実情を知った1世同胞らが中心となり遺骨を安置し哀悼するため、1979年、茨城県朝鮮人慰霊塔(納骨塔もあり)を建立した。

 それから27年の歳月が流れ、風雪などで痛みがひどくなった状況に鑑み、今回2、3世らが先人の意思を継いで300人以上の同胞らの協力を得て、600万円の予算で新たに慰霊塔を修復、整備した。

小冊子も発刊

 一方、慰霊塔修復を契機に小冊子「茨城県朝鮮人慰霊塔」が発刊された。論文、記録、関連写真などが掲載されている。小冊子の問い合わせは茨城県朝鮮人慰霊塔管理委員会まで。(TEL 029・241・3311)。【茨城県朝鮮人慰霊塔管理委員会】

[朝鮮新報 2006.10.30]