西東京チマ友キムチ宅配 実践報告、「本場の味」 リピーターも上々 |
「キムチを食べて応援しよう」
「おいしいキムチを宅配します。『チマ友』キムチは本場済州島の味!」 「キムチを食べて朝鮮学校の子どもたちを応援しよう!」 食や文化を通じて、在日朝鮮・韓国人との交流を深めていこうとする市民団体、「チマ・チョゴリ友の会(チマ友)」が西東京朝鮮第1初中級学校のオモニ会が推奨するキムチを共同購入、宅配している。 宅配は偶数月に行われており、今回で15回目。拠点である府中ボランティア共同事務所「スペースあしあと」に12日、チマ友、オモニ会の関係者が集合、255キログラムのキムチとの「格闘」が始まった。事務所にキムチの「赤い絨毯」が広がる。 チマ友ではよき隣人たるために何が出来るかを模索、明確なカタチを持って朝鮮学校の子どもたちを応援したいと考えていた。 「気持ちはあってもお金はなかった」と、会社から「キムチ休暇」をもらっての参加である、チマ友の松野哲二代表は話す。 そこでオモニ会の協力を得てキムチの宅配が始まった。
初回宅配分はチマ友の会員が購入する50袋(25キログラム)だったが、回を追うごとに出荷量は順調に増加、第14回は約200キログラム、第15回は255キログラムになった。料理教室、ハングル講座、会報、「朝鮮文化とふれあうつどい・フリーマーケット」などのルートを通して購入者は増えていった。 キムチは大阪の在日同胞が漬けているものを宅配している。メンバーによる「キムチ議論」のすえ、おいしくて安心との理由からこのキムチに決まった。 宅配は西東京近郊を中心に千葉、埼玉、中には「チマ友から買いたいんだ」と大阪からの注文もある。65袋、35袋と大口の注文もあるほか、ホルモン鍋の店、居酒屋からの買い付けもある。昨今流行のサラダ感覚のキムチでも、辛いだけのキムチでもない、「本場」のクセになるキムチにリピーターも上々だ。 255キログラムのキムチがあらかた片付いたころ、食卓を囲んで「キムチ議論」が始まった。 テーマは「キムチは何に一番合うのか」。 「焼き芋にキムチが最高」「パンにキムチもいける」と意見が交わされたが結局「なんにでも合う」と結論付けられた。 そんな議論の中心にいる松野代表を、オモニたちは今では「キムチのブローカー」「キムチ博士」と笑顔で称えている。 キムチ宅配の収益は西東京第1初中の図書館支援費になる。 松野代表は「ともだちに情勢は関係ない。だから気持ちにぶれはない」と話していた。 第16回の宅配は12月14日に行われる。11月19日の「朝鮮文化とふれあうつどい・フリーマーケット」(府中公園、10時30分〜15時)に参加すればこのキムチに出会える。(鄭尚丘記者) 「入会自由、脱会もっと自由」 チマ友の会 チマ・チョゴリ友の会ではキムチ宅配のほかに「入会自由、脱会もっと自由!」をモットーにいろいろなかたちで朝鮮学校の子どもたちを応援している。 朝鮮学校の子どもたちの教育費の公的な保障を、日本の公立学校の子どもたちへの保障と同額にしたいと「同額要求」をする署名運動や、チマ友主催による「朝鮮文化とふれあうつどい・フリーマーケット」を開催しているほか学校行事にも積極的に参加、西東京第1初中創立記念祝典には売店を出店した。 料理教室、ハングル講座も運営、奇数月には「チマ・チョゴリ友の会にゅうず」を発刊している。現在読者は350人。「一言応援ハガキの呼びかけ」も行っている。 会則には「1、日本社会のなかに根強くある在日朝鮮人への差別意識と差別諸制度の是正を、身近な地域社会から求めます」「2、仲間として日常生活のなかで交流し、知り合い、理解し合い、助け合うよき隣人関係をめざします」などが盛り込まれている。 [朝鮮新報 2006.10.23] |