国体で根付いた友情 |
「チャルハラ、チュ・グァンシク(周光植)」−兵庫国体・ボクシング会場から聞こえてくる大きな声援。神戸朝高の学父母の応援と思いきやそうじゃなく、学ランを身にまとった兵庫県下日本学校のPTAのお母さんたちの応援団だった。「地元の選手を力づけようとやっている」と少年男子ボクシング・兵庫県監督の友野聡一さん(46)。「実は友野さんの奥さんもあの中にいたんですよ」と神戸朝高ボクシング部監督の金潤徳監督(27)が漏らすと、その場は笑いに包まれた。そんな微笑しい場面があちこちで見られた。 朝鮮学校生徒の国体初参加がもたらした交流の輪。当初は大会自体の注目度が低く、正直ピンとくるものがなかったが、その効果は記者の想像をはるかに越えていた。 「今年から朝鮮学校が参加できるようになったんやて」「え、なんかキモいな」と隣から聞こえてきた日本の高校生の会話。知らないことで生まれる「誤解」。そんな壁をとっぱらっていった兵庫県の少年男子ボクシングチームと少年女子バレーボールチーム。神戸朝高から1人ずつがチームに入ったが、日本の選手と長期間練習する過程で、わだかまりはなくなり互いの家で寝泊りしたり、携帯のメールアドレスも交換した。 周選手のアボジの周沿革さん(58)の言葉が印象的だった。「互いに理解してわだかまりなくやってこられた。同じ高校生として認め合い切磋琢磨する姿があった。本当の友情が根づいたと思う」。(c) [朝鮮新報 2006.10.16] |