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〈投稿〉 「日本の過去清算を求める国際連帯協議会」 第4回会議に参加して

孫哲秀書記長(写真右)

 8月26、27の両日に渡りフィリピンのマニラで、「日本の過去の清算を求める国際連帯協議会」第4回会議が開かれた。

 「日本の過去清算を求める国際連帯協議会」は各国、各地域の対日補償要求団体と人権擁護団体、国会議員と弁護士および活動家たちと研究者達を網羅した国際的な連帯組織である。

 結成は2002年の5月、平壌で開かれた「日本の過去清算を求めるアジア地域シンポジウム」で合意された。

 第4回会議は第1回会議(2003.9、上海)、第2回会議(2004.5、ソウル)、特別会議(2005.5、東京)、第3回会議(2005.9、平壌)に続いて初めて東南アジアで開かれた。

会議に参加した朝鮮人強制連行真相調査団のメンバー(筆者は左、中央は李和雨群馬調査団事務局長)

 朝鮮、韓国、中国、フィリピン、台湾、オランダ、ニュージーランド、アメリカ、日本の9カ国と地域から85人が参加した今会議は、今年日本の戦後処理、戦後補償をテーマにした国際会議としては最大規模の会議である。朝鮮、韓国、フィリピン、台湾の被害者たちとフィリピンの上、下両院の国会議員7人および、衆、参両院の前議員2人が参加した。

 開会式で「朝鮮日本軍慰安婦≠ィよび強制連行被害者補償対策委員会」孫哲秀書記長(東京朝高第25期生)は、さる7月に死去した朴永心ハルモニの遺影をかざしながら「日本は過去を清算していない。61年の歳月が流れたが日本の侵略で失われた数知れない人権が回復されていない。日本政府は過去清算にかかわる全ての資料を包み隠さず即時公開すべきである。」と語った。韓国の「アジア平和と歴史教育連帯」の梁美康常任共同運営委員長は「各国が連帯して補償を求めるべきだ」と主張した。

 フィリピン大学アトリ・ハリ・ロケ教授の基調報告のあと、日本軍「慰安婦」及び強制連行被害者達が証言した。朝鮮の金勇傑氏(81歳)は、「1944年の初夏、《赤紙》がきて鎮海の新兵訓練所≠ノ引っ張っていかれた。日本人将校と下士官たちの《気合》で鼓膜が破れ片方の耳が聞こえなくなった。9月、鹿児島の出水に行き軍用飛行場の格納庫と防御施設工場に従事した。敗戦になるや日本人はもうどこへでも行け≠ニ言った。ビタ一文くれなかったので食費や旅費にこと欠いた。何とか下関について船に乗ったが台風に遭い200人中50人が生き残った。日本は自分が死ぬのを待っているらしいが私が死んでも子どもたちや孫たちが謝罪と補償を求め続けるだろう」と証言した。

 2日目の午前中はテーマ別分科会が行われた。

 第1分科は慰安婦(分科長−ネリア・サンチョ、フィリピン)、第2分科は強制連行、虐殺、原爆、空襲、遺骨、捕虜、民間抑留者(分科長−李一満、東京調査団)、第3分科は歴史わい曲、軍事化(分科長−梁美康、韓国)問題を取り扱った。

 第2分科には朝鮮、韓国、フィリピン、ニュージーランド、オランダ、日本、中国の7カ国と東京、および群馬調査団の計23人が参加した。

 「朝鮮日本軍慰安婦°yび強制連行被害者補償対策委員会」桂成訓委員は朝鮮人強制連行被害者名簿第2次調査状況と同被害者たちに対する未払い賃金について、「強制動員真相糾明市民連帯」の金ボナ事務局長は、韓国の強制動員被害者たちの最近の活動について、群馬調査団の李和雨事務局長が県立公園「ぐんまの森」に朝鮮人強制連行の歴史的事実を刻んだ追悼碑「記憶、反省そして友好」を建立したことについて、東京調査団の私が「東京大空襲時の朝鮮人犠牲者」について報告した。

 分科会の報告者と参加者たちは過去、日本によって踏みにじられたアジア各国と地域の被害者と遺族の人権と名誉を1日も早く回復させ、日本の歴史わい曲と軍国化を阻止するための実践的な方途と対策について意見を交換した。

 午後の全体会議では1996年2月、国連人権委員会「女性への暴力」特別報告者のラディカ・クマラスワミ女史が、日本軍「慰安婦」問題についての報告書と日本政府への勧告を発表し、同委員会がこれを歓迎、支持する決議を採択して10年が経過したのを受けての緊急報告があった。

 報告者は「日本政府は勧告を受け入れず、逆に「女性のためのアジア平和国民基金」を設置した。しかしこれは日本の法的責任を回避するものであったため、大多数の被害者に受け入れられなかった。日本政府は極めて不十分かつ不誠実である。加害国日本が、過去においても現在においても責任を果たしていないことは明白である。その様な国が国連安保理常任理事国入りを求めるのは、言語道断である。日本政府はクマラスワミ勧告を迅速かつ誠実に履行せよ」と強く要請した。

 3分科会の報告のあと、宣言文が採択された。

 翌28日にはフィリピンの上、下院議員7人を含む各国国会議員たちが日本の戦後処理問題と、戦争被害者たちを支援する国際フォーラムを開き、上の宣言文と同趣旨の声明を出した。

 会議では最後に9月18日からジュネーブで開催される国連人権理事会第2期通常会期にあわせて、同理事会議長あてに「クマラスワミ報告10年後の勧告履行を求める国際共同署名」を呼びかけた。

 会議に関する報道は共同通信、毎日新聞、マニラ新聞、ザ デイリートリビューン、ザ フィリピンスターなどが配信し、朝鮮中央通信、AFP、新華社などが世界に発信した。(李一満、東京朝鮮人強制連行真相調査団朝鮮側事務局長)

[朝鮮新報 2006.10.16]