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東日本、サマースクール2006 「Let's! コリナビ!」

 日校学生会東日本ブロックのサマースクールが8日〜10日、槌打キャンプ場(埼玉県秩父市)で行われた。93人の日校生たちがここで出会い、同じ時の中で、民族に触れ、思いを共有した。彼らは叫んだ。「チョソンサラムとして誇りを持って、もっと堂々と生きていこう!」

「コリ友」との出会い

最終日、みんなで記念撮影。生徒たちは再会の約束を交わしていた

 恒例の「サマス」、今年のテーマは「Let's! コリナビ!」だった。「コリナビ」とは「Korea」「Navigate」の略で、「コリアンとしてしっかりとした足取りで歩いていこう」という意味が込められている。さらにテーマは日ごとにもわけられる。

 初日、Fastナビは「コリ友」。開講式で各地方から集まった生徒たちの班割りが決まると、いよいよ初顔合わせとなった。自己紹介を兼ねたゲームに興じる班、歌を歌う班、肉体派の班など、個性豊かな12個の班に分かれた。

 1班では時間を守ること、全力を尽くすこと、連絡先を交換することを班の約束にしていた。1班の文敬則班長にとってはこれが最後の「サマス」。彼は「燃え尽きるくらいにがんばる。照れなんか捨てて、来てよかったと思えるようにしなきゃ」と話していた。

 東京、北関東朝鮮歌舞団による歓迎公演のあと、班対抗料理大会に突入した。メニューはカレーとチヂミだった。慣れない包丁作業に火起こしと、悪戦苦闘する工程は生徒たちに笑顔を与えてくれた。自然と初対面のぎこちなさはなくなり「本名」で呼び合うようになっていた。

 その後は班で理想の異性、10年後の自分、日本と朝鮮の友だちの差などについて語りあった。「うるさくない人がいい」「やさしい人かな」「やっぱりウリマルを使った仕事がしたい」と、彼らはコリアンの友だち同士で過ごす夜を楽しんだ。

「ウリ」を身近に

2日目の夕飯は焼肉。みんなで輪になって食べる焼肉の味は格別だった

 Secondナビの「ウリ」はあいにくの天候で始まった。

 午前には「民族体験コーナー」が設けられ、生徒たちはテコンドー、チョゴリ、チャンゴ、舞踊などの「ウリ文化」に触れた。

 映像学習のあと、雨天のため屋内となったが、みなが楽しみにしていたフォークダンスは無事行われた。

 そして夜には生徒たちによる文化公演が披露され大いに盛り上がった。文化公演は東京学生会の重唱で始まり、埼玉、千葉、群馬、神奈川、西東京の学生会による公演、そして思いの丈をぶつけるスピーチへと続いた。

 生徒たちは赤裸々に自分の思いを、声を大にして言う。関係者を含め200人余りが見つめる中での発言。足が震えている生徒もいたが下を向く者はいなかった。

 彼らは語る。初めて「本名」で呼ばれたこと、みんなと出会えたこと、「チョソンサラム」として生きるのは不安なことではないと、今の自分がありのままの姿だと…そして「学生会最高!」「堂々と生きていこう!」と叫んだ。

「コリナビの約束」

大変な盛り上がりだった文化公演。観覧者たちは来年は自分が舞台に立ちたいと目を輝かせていた

 彼らはなぜ叫ぶのか、「サマス」とはなんなのか。

 実行委員会の金瑛華委員長は「きっかけ」と「可能性」について語った。

 「つながること、仲間がいるということで勇気が湧く。もう一人で悩まなくていい。ありのままで生きていけばいい。サマースクールはたくさんの出会いを通じて、『チョソンサラム』として生きていくことの大事さを教えてくれる」

 「俊烈指導員は「『チョソンサラム』という自分を否定して生きることは不自然なこと。自分が何者なのかを共に飲み込んで、共に消化して自分のものに出来たらいい」と「サマス」について話した。

 「ウリ」を知った生徒たちはこの後、班ごとに討論を行った。

 6班の具澄枝さんは「最初で最後の『サマス』だったけど在日の友だちに出会えてよかった。歌舞団の公演を見て日本のアーティストとかダメじゃん! て思った。本当に上手。大学に進学したら朝鮮語を習いたい。統一のために何かしてみたい」と感想を語った。

 6班では「サマス」が終わったら地域の学生会に顔を出そう、全員が顔を出したらみんなでボウリングに行こうと盛り上がっていた。

 郡山から7時間かけてやってきた朴将根さんは「班で遊んだこと、公演を見たこと、すべてが感動的だった。もう終わりかと思うと残念。来年もまた参加したい」と話した。

 千葉学生会の再結成に尽力した秋龍善会長は「もっとネットワークを広げていきたい。もっと、まだがんばれる。千葉学生会をしっかりとした道に乗せたい」と決意していた。

 最終日、最後のテーマは「Let's! コリナビ!」。班ごとの総括が終わると閉会式が行われ全員で、学生会を盛り上げよう、ずっと「トンム」でいよう、また会おうと約束が交わされた。

 「コリ友」と出会い、「ウリ」を知ることで交わされた約束。彼らにとってかけがえのない「サマス」となった。いつしか雨は上がり、青空が広がっていた。(鄭尚丘記者)

[朝鮮新報 2006.8.22]