「北海道朝鮮学校を支える会」第3回総会 |
「権利獲得のために連帯を」 「北海道朝鮮学校を支える会」(「支える会」)の第3回総会が6月23日、札幌市民会館で行われた。総会には、道内の日本学校教員と道議会議員、市民ら約50人と北海道朝鮮初中高級学校教員、オモニ会のオモニら約40人が参加した。2004年7月16日に結成された「支える会」は、朝鮮学校と民族教育に対する正しい理解と認識を深め、朝鮮学校の処遇改善を求める幅広い運動を行ってきた。総会では、昨年6月17日に行われた2回総会以後の活動が総括され、今後の活動方針が採択された。 「日本人自身の問題」
総会では、「支える会」の古賀清敬共同代表があいさつ。日本の長い歴史の中で常に排除されてきた民族とマイノリティに対する弾圧に触れながら、在日朝鮮人問題と朝鮮学校、民族教育問題は、歴史の教訓からしても見過すことのできないことだと指摘した。 そのうえで、民族教育はかならず保障されるべき権利であり、民族教育を守ることは日本人自身の問題でもあると強調した。 つづいて、北海道初中高の申京和校長が来ひんのあいさつを行った。 申校長は、過去2年間の「支える会」の運動を通じて、幅広い市民が同校と民族教育に対する支持と連帯を示してくれたことに謝意を表しながら、中等教育実施60周年、学校創立45周年を迎えたこれまでの歴史の中には、学校を支援してくれた日本の人々の熱い真心が刻まれていると語った。
また、在日同胞と朝鮮学校に対する日本当局の差別的な施策と制度は依然として続いており、生徒たちの明るい未来のためにともにがんばっていこうと訴えた。 総会では、「支える会」共同代表の白井浩二・札幌市教職員組合副執行委員長が1年間の活動報告を行った。 白井共同代表は、学校の処遇改善を求める運動として、@1条校に準じた扱い、A助成金の増額、B生徒たちの安全の担保―などを行ったほか、これまで10回にかけて行われた日朝友好促進交換授業、市民と同胞ら約2500人の参加のもと昨年行われたアンニョンフェスタなどについて報告した。 また、今後の活動方針について、@学校の処遇改善、A生徒の安全を確保、B日朝友好促進交換授業を11月11日に行うことなどが話し合われた。 総会では、学校側から助成金の削減と不況により、厳しい運営を余儀なくされている現況についての説明がなされるとともに、状況を打開するために卒業生を中心に「ハッキョサラン一口運動」を行っていることを紹介。話を聞いた10余人の市民らが、「一口運動」への協力を申し出た。 「多文化共生のモデル」 総会に続き、在日本朝鮮人人権協会の金東鶴氏が「民族教育の重要性とその権利保障における課題について」と題して講演した。 金氏は、朝鮮学校(高級部)卒業生には大学入試資格を個別審査で与える一方、インターナショナルスクールをはじめとする外国人学校には何の制限もなしに与えた経緯や、朝鮮学校と中華学校への寄付金だけは税的優遇が受けられないなど、90年代後半から民族教育の権利が制限、差別されていることについて語った。 また、在日朝鮮人問題と民族教育権を拡大する問題、増加する外国人学校に関する問題は、日本当局と教育行政が過去を深く反省したうえで保障すべき問題であり、権利獲得のためには在日朝鮮人が進歩的な日本の人々と連帯していかなければならないと強調した。 そのうえで、朝鮮学校は日本が直面している多民族多文化共生社会のモデルケースであり、半世紀以上にわたって培ってきた経験はなにものにも代えがたい貴重な財産だと指摘した。 総会では、朝鮮学校と民族教育の権利獲得は日本人自身の問題であり、教育行政の差別的な施策と迫害を是正するために、引き続き朝鮮学校を支援しようという意見で一致した。【北海道初中高】 [朝鮮新報 2006.7.18] |