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人権協会主催でセミナー 「民族教育は当然の権利」

150人が参加

セミナーには約150人がつめかけた

 民族教育の権利保障のための実践交流セミナーPART3「今こそ民族教育権の確立を!−日弁連への人権救済申立とディエン報告が求めるものとは−」(主催=在日本朝鮮人人権協会)が10日、文京シビックセンターで行われ、同胞と日本市民ら約150人が参加した。

 セミナーでは、人権協会の柳光守会長のあいさつに続き、李春熙弁護士、人権協会の宋恵淑氏、金舜植弁護士、松原拓郎弁護士がそれぞれ報告を行った。

 日弁連に対し3月13日に行った人権救済申立について報告した李弁護士は、内容をわかりやすく説明しながら、その意義について、学校運営の根幹である税制上の差別的な取り扱いの是正へのきっかけを作ったことと、中華学校と朝鮮学校が共同で申立を行ったことにあると指摘した。

 今年1月に国連に提出されたディエン報告書が作成された経緯について報告した宋氏は、報告書が身近な表現で語られているのは、各地の学父母の声をそのまま反映したことと、朝鮮学校が置かれている差別的な状況が、どう考えてもおかしいものであるからだと指摘。大切なことは、報告書をいかに活用して権利を獲得していくかということであり、それはここに集まった一人ひとりにかかっていると強調した。

 今回の人権救済申立が意味することについて報告した金弁護士は、国籍や民族に関係なく、当然保障されるべき権利が教育権だと述べながら、国立大学受験資格の獲得などの経験が豊富であり、要求が正当であることから今回のたたかいでも十分に勝利を収めることができると熱く語った。

 日本社会と外国人学校というテーマで報告した松原弁護士は、外国人学校の側から新たな視点を提示しないかぎり、文部科学省の主張を覆すことはできないと指摘。運動を進めていくうえで忘れてはならないことは、教育はもともと大人が子どもに授ける恩恵ではなく、子どもたちの当然の権利であるとしながら、大人の視点の教育から子どもの視点の教育へシフトすることの重要さを強調した。

 つづいて、東京と神奈川の朝鮮学校の教員やオモニたちが経験談を披露。苦しい中でも学校のためにがんばって、権利を勝ち取っていこうと訴えた。また、横浜山手中華学校の潘民生校長が同校の置かれた現況について説明しながら、権利獲得のために手を携えていこうと訴えた。(李松鶴記者)

[朝鮮新報 2006.6.13]