〈同胞法律・生活センターPART2 H〉 国籍と性 日本人女性と結婚、子の国籍は? 姓はどうなる? |
朝鮮籍の男性です。妻は日本人で、この秋に出産予定です。生まれてくる子の国籍はどうなりますか? また、子は日本人の妻の姓になると聞きました。私の朝鮮姓を名乗らせることはできないのでしょうか? 22歳までに国籍選択、姓変更は出生後でも可 同胞と日本人の婚姻件数は年々増加傾向にあります。日本社会でも国際結婚率は上昇しており、厚生労働省、人口動態統計」によると6%を超えました。そんななか、同胞法律・生活センターには国際結婚に関連する相談が、同胞はもちろん日本人からも寄せられています。国籍をはじめ外国人登録や在留資格、さらには「里帰り出産で生まれた子を妻と一緒に日本に連れ帰るために必要な手続きは?…」とさまざまです。今回のテーマは、「国籍と姓」。 このような相談は非常に多く、センターに寄せられる国籍相談の最もポピュラーなものと言えます。 この場合、生まれてくる子の国籍は、朝鮮と日本の重国籍となります。しかし子の母が日本国籍なので、子は母の国籍を受け継ぎ、出生届を提出すると母の戸籍に「子」として記載されます。そのため母の姓を名乗ることになります。 子は重国籍で父と同じ朝鮮籍も合わせ持っていますが、日本国籍も持っているため外国人登録や在留資格の手続きは必要ありません。子は22歳までに朝鮮か日本のいずれかの国籍選択をしなければなりません。 子の日本国籍離脱手続きを行うと、子は朝鮮籍となり父と同じ姓を名乗ることができます(このとき、子の外国人登録と在留資格取得の手続きが必要です)。しかし、とりあえずは子の姓の問題から…というような場合、子に父の朝鮮姓を名のらせるためには、次のような方法があります。 まず日本人妻の姓を夫の朝鮮姓に変更します。外国人と結婚した日本人の場合、婚姻届提出後6カ月以内であれば最寄りの市区町村役場、戸籍係りで「姓変更の届出」だけすれば、外国人配偶者の姓に変更できます(戸籍法第107条2項)。6カ月を経過している場合は、家庭裁判所で「氏変更の申立」をします。家裁の決定が下りるまで2〜3週間かかりますが、簡単にできます。その際必要なものは、婚姻届受理証明書、日本人配偶者の戸籍謄本、外国人配偶者の外国人登録原票記載事項証明書などです。妻の姓が夫と同じになれば、生まれてくる子も朝鮮姓を名乗ることができます。 子に父の朝鮮姓を名乗らせるもう一つの方法としては、子の出生したあとに、家庭裁判所で子の「氏の変更の申立」をします。家庭裁判所で「許可」が出されると、それを持って市区町村役場の戸籍係で日本人の母親とは別に、子(朝鮮姓)を筆頭者とする戸籍を作ることになります。(金静寅、NPO法人同胞法律・生活センター事務局長) ※NPO法人同胞法律・生活センターでは、暮らしをテーマにした各種の講座、学習会を企画し、それに適切な講師を派遣します。地域の同胞を対象にした講座等の開催を検討されている総連本部、支部の担当者のみなさん、お気軽に事務局までお問い合わせください。TEL 03・5818・5424、FAX 03・5818・5429 [朝鮮新報 2006.6.7] |