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在日朝鮮人人権セミナー 固定資産税問題、商工会不当捜索、再入国許可遅延事件 「すべて一つの流れ」

総連弾圧の政治的意図明らか

 在日朝鮮人人権セミナー「侵される在日朝鮮人の法的地位−『法の厳格な適用』を口実に不当弾圧」が19日、東京都千代田区の日本教育会館で行われ、同胞、活動家、学生ら100人以上が参加した。セミナーでは、総連関連施設に対する固定資産税課税問題、大阪朝鮮商工会に対する不当捜索、名古屋入国管理局による再入国許可遅延事件について、弁護士らが報告。セミナー実行委員長の床井茂弁護士は「3つの問題が一つの流れの中からでてきている」と指摘。報告者らも「総連弾圧の政治的意図がうかがえる」と指摘した。

▼固定資産税課税問題

セミナーの報告者たち

 「朝鮮総連の活動はもっぱら…わが国社会一般の利益のために行われていない」とした福岡高等裁判所の判決について金舜植弁護士は、「総連の活動は昔から変わっていない。民族教育や在日朝鮮人の権利擁護のための活動に公益性がないというのはおかしい」と指摘。課税は、固定資産税の減免について定めた都、市税条例に違反し、憲法14条、「信義誠実の原則」にも違反すると指摘した。

 金弁護士は全国での課税騒動が朝鮮に対する経済制裁の一環として行われていると指摘。「総連の50年以上の活動に自信と誇りをもち、日本人と連帯してたたかっていかなければならない」と述べた。

 熊本からかけつけた「熊本朝鮮会館問題を考える市民の会」の古沢千代勝代表は、会の活動について「北朝鮮に加勢している」と中傷を受けたことを告白。「われわれは差別を知らなかった償いとして、不戦のための取り組みとしてやっている。日本が朝鮮の人に何をしてきたのかを考え直す必要がある」と訴えた。

 総連熊本県本部の朱永徳副委員長は、「同胞の心のよりどころ、生活の拠点、権益擁護の象徴である会館の危機に、同胞とともに日本人が自分のことのように立ち上がってくれた」と述べた。

▼大阪府商工会不当捜索

 大阪朝鮮商工会に対する不当捜索について報告した古川健三弁護士は「拉致問題は解決しなければならないが、事件から25年も経って何がでてくるのか。なぜ何ら関係のない商工会なのか」「拉致と関係ないものを押収していった。商工会と会員らは被害者だ」と指摘した。さらに、マスコミの大々的な報道があたかも総連が拉致に関与したかのような印象を与えていると指摘。チマ・チョゴリ事件、固定資産税問題、「万景峰92」号へのシュプレヒコールなど「在日朝鮮人が被害を受けている」と述べた。

 朝鮮大学校の李泰一助手は大阪朝鮮商工会に対する不当捜索について、「光州を血の海にした全斗煥軍事政権時代の判決書のみを唯一の証拠に敢行された不当、違法な捜索だ」と力強く訴えた。

 大阪府商工会の金原賛総務部長は「一貫して遵法、相扶相助の経済団体である商工会は拉致とまったく関係ない。明らかな不当捜索だ。法治国家の日本では『法の下では何人も平等』とされているが、その中に在日朝鮮人は含まれないのか」と怒りを露にした。

▼再入国許可遅延事件

 名古屋入管が女性同盟中央委員長の再入国許可を遅延させた事件について報告した李春熙弁護士は、「在日朝鮮人が再入国の自由がないということは、日本に閉じ込められることにもなる」と指摘。「今回は許可をただ遅らせただけ。単なる嫌がらせにすぎず、何らかの政治的意図があったことは明らかだ」と厳しく指摘した。(李泰鎬記者)

[朝鮮新報 2006.5.24]