「万景峰92」号 今年初の運航 「祖国に行ける」 「家族に会える」 |
同胞、朝鮮学校生徒ら約170人を乗せ出港 「万景峰92」号が4月25日朝、新潟西港に入港した。総連各地方本部の祖国訪問事業担当職員らをはじめ新潟の同胞、活動家らが港で歓迎した。「万景峰92」号は祖国を訪問する同胞、生徒ら170数人を乗せ、26日朝、無事出港した。「万景峰92」号は今年、18回の運航が予定されている。 「万景峰92号は家族との絆」
「万景峰92」号の入港を待ちわびた同胞らは喜びの声を上げた。 姉と弟に会いに行くという南四熙さん(73、名古屋市在住)は「祖国を訪問できるようになってうれしい。「万景峰92」号は家族との絆。人道的な運航を誰にも止めることはできない」と語った。 姜心淑さん(88、東京都荒川区在住)は2人の息子を含む家族に会いに行く。「待ちに待った船が来た。かわいい孫たちに早く会いたい」と語った。 修学旅行のため祖国を訪問する茨城朝鮮初中高級学校高級部3年の生徒たちは「祖国の人たちと話したい」「妙香山に行ける」と期待に胸をふくらませた。 総連中央祖国訪問事務所の金弘哲所長は「『万景峰92』号に対する謀略や悪意に満ちた宣伝が行われるなか、総連と同胞たちの団結した力で今年も迎え入れることができた。多くの在日同胞たちが安心して祖国を訪問できるよう力を尽くしたい」と語った。 暴言に過剰検査
入港後、国土交通省北陸信越運輸局の外国船舶監督官9人がPSCのために乗船し、第九管区海上保安本部、 東京入国管理局、東京税関の職員ら約80人が立ち入り検査を行った。過剰な検査によって、「万景峰92」号の船長らは長時間にわたって自由を奪われ、安全な運航のための職務に支障をきたされた。 また入港時、港では「万景峰92」号の入港に反対する右翼勢力が新潟県港湾管理条例により禁止されているはずのプラカードを掲げ、マイクを利用し「この船には麻薬が積まれている」「沈んでしまえ」などと暴言と誹謗中傷を繰り返した。 その場には弁護士法違反と組織的犯罪処罰法違反の罪で公判中の衆院議員・西村真悟被告をはじめ国会議員、県議会議員らの姿もあった。 新潟のある同胞は、暴言を吐く政治家らを「拉致問題を『万景峰92』号に無理やり結び付けて騒ぎ立てることでしか自分の存在価値を示せない」と指摘した。 チャン・チャンヨン船長は「長時間の運航後にもかかわらず、自由に休憩も与えられず、検査と言いながらかえって安全を破壊しようとしているように思う」と怒りを露にした。 また、チャン船長は「在日同胞の祖国往来のための船の運航は人道的に保障されなければならない。われわれは一度たりとも日本の法に抵触したことはない」と強調。「これからは正常に運航されるだろう。祖国を訪れる在日同胞たちを無事、安全に祖国に送り届けられるよう誠意を尽くしたい。多くの同胞に利用してもらいたい」と語った。【本社取材班】 [朝鮮新報 2006.4.28] |