「神奈川 朝鮮学園を支援する会」設立総会 神奈川で朝・日友好への一歩刻む |
朝鮮学校との交流、イベント、広報誌発行 「神奈川 朝鮮学園を支援する会」が設立された。設立総会と神奈川県下朝鮮学校創立60周年祝賀宴が22日、ロイヤルホールヨコハマ(神奈川県横浜市)で行われ、50余人の日本人士と同胞ら、100余人が集った。 総会ではまず、同会の呼びかけ人である神奈川県高等学校教職員組合の竹田邦明執行委員長が、「神奈川に住んでいる在日、日本の子どもらが同じように学資補償を受けるべき。しかし、必ずしもそうなっていない。私たちが何かできないかという思いで立ち上がった」とあいさつした。
同会設立は、昨年4月の「『神奈川朝鮮学園』に対する温かいご支援に感謝し友好親善を深める集い」の場で発足の提起がなされ満場一致で採択された。同12月の準備会時、代表が選出され神奈川県高等学校教育会館内に事務局を置くことになった。 同会は、日本における民族教育に対する制度的差別解消のため、日朝関係改善に向けた草の根レベルからの行動を行っていくことを目的にしている。具体的には、学校教育法1条校と同等の地位、待遇を求め、朝鮮学校との交流、イベントなどを行っていく。 また、これらの目的に賛同するすべての団体、個人によって会は組織、運営され、会員相互の交流をはかるため、総会の開催、広報誌発行をしていく。 同会の設立宣言とともに、「東アジアの中で日本の果たす役割」と題し講演した、阿部浩己代表(神奈川大学法科大学院教授)は、「今、日本にはさまざまな息苦しさがある。多元的な社会は支配社会ではなく、異なる価値観を認めあう社会であり、それは平和へとつながる。共存共生の原理は民族教育を守ること。会の立ち上げは、@教育を受ける権利をもつ子どもへの責任、A過去の植民地支配と向き合う歴史への責任、B共に尊重して生きる社会実現への私たちの願望でもある」と語った。
神奈川朝鮮中高級学校の姜文錫校長が「県下朝鮮学校創立60周年という節目の年に『支援する会』が発足されたことは意義深い」とあいさつをした。 つづいて行われた祝賀宴では、同会の中野和巳事務局長(前神奈川県高等学校教職員組合副執行委員長)が経過報告。「(会の活動を)息長く、幅広く推進していきたい」と抱負を語り、阿部代表が「神奈川県下朝鮮学校創立60周年に際し、会を設立したことは必然的なこと」とあいさつした。 神奈川朝鮮学園の禹載星理事(前神奈川初中高校長)は、「会の設立は学校の沿革史に残る歴史的な出来事。何よりも朝鮮学校の悩み、心情を知っている日本人士との友好連帯を、これからも発展させていきたい」とあいさつした。 祝賀宴では、県下各方面から参加した人士らが神奈川県下朝鮮学校との友好関係について、「共生の時代にあっては当然のこと」とスピーチしていた。 阿部代表は行政に働きかけて、@制度的差別を無くし、A日本社会の意識を変えることが大事だと話しながら、「日朝関係が緊張していても人間同士のつながりは揺るぎない。そのような人たちが今日集まった」と語っていた。 また、神奈川県オモニ会連絡会の孔連順代表(45)は、「朝鮮、総連をとりまく情勢は厳しいが、同会設立は、同胞の希望となる。日本の人々と手をとりあうことが朝・日国交正常化への第一歩であり、子どもたちには、『朝・日親善』という道標を示すことができる。阿部代表の『自分たちのためにやっている』という言葉を聴いて心の中で涙が流れた」と感慨深げに話していた。(李東浩記者) [朝鮮新報 2006.4.27] |