〈同胞法律・生活センターPART2 D〉 在日同胞と年金 -1- |
2004年の改革により、年金制度はますます複雑になりわかりにくくなっている。加入記録の通知や年金見込み額の試算、裁定請求の案内を行うなど一見親切になったようだが、「(私たち在日同胞のような)カラ期間のある外国人についても同様の内容になっているのか?」という質問に社会保険事務所の対応ははっきりしない。在日同胞の立場から公的年金制度について考えてみる。 対象と給付 現行の公的年金制度では、自らが申請しなければ給付を受けることはできない。年金を受けるためには制度について知っておかなければならない。在日同胞は長い間、適用から除外されてきたためあきらめている人も多いのではないだろうか。 しかし、公的年金制度は複雑で生年月日、性別、働き方の違いによってさまざまな特例や救済措置があり、とくに在日同胞の場合、適用除外されていた期間については「カラ期間」として取り扱われるので、意外ともらえることがある。
公的年金制度は、@国民年金、A厚生年金保険、B共済組合の3種からなり(表1参照)、厚生年金保険や共済組合は「被用者年金制度」と呼ばれる。公的年金制度は「2階建て年金」のしくみをとっており、基礎年金を支給する国民年金が「1階」部分となり、報酬比例部分の年金を支給する厚生年金保険と共済組合が「2階」部分となる(表2参照)。 国民年金の被保険者は保険料の納め方によって、@第1号被保険者、A第2号被保険者、B第3号被保険者に分類される(表1参照)。 年金の給付は@老齢給付A遺族給付B障害給付の3種で、高齢者だけでなく現役世代が対象になるものもある。老齢給付を受けるには、原則として保険料納付済期間、保険料免除期間、「カラ期間」の合計年数が25年以上必要です。しかし、@生年月日が1930年4月1日以前の人の特例A被用者年金制度の加入期間の特例B厚生年金保険の中高齢者の特例により、「カラ期間」が20年以上ある人もいるので@の特例から数カ月加入期間があれば受給できる人もいる。障害給付、遺族給付は未納や空白の期間があるともらえないことがあるので注意しなければならない。 免除、納付猶予制度
国民年金保険料の納付が困難なときは、免除制度や納付猶予制度を申請しよう。承認されれば、承認された期間中について未納の扱いとはならない。20歳代の人は、学生納付特例制度とともに、新たに昨年7月から若年者の納付猶予制度が導入され、世帯主の所得に関係なく本人(配偶者を含む)の所得に応じて適用されることになった。 免除制度は、今年の7月からは所得に応じ、従来の全額、半額免除に加え4分の1、4分の3免除制度が導入され利用しやすくなる。第3号被保険者については、昨年4月から届出漏れ期間について特例の届出を行えば納付済期間とされるようになった。すでに年金を受給中の人は年金額が増える場合があるので、できるだけ早く届出をする方がよい。加入期間が足りないときは60歳以上の任意加入制度により、満たすことも可能だ。 昨年4月の改正により「障害特別給付金」制度ができたが、学生を除き任意加入期間のなかった同胞無年金障害者、高齢者の人たちが対象となっていないのは残念なことだ(朝鮮大学校を含む一部の各種学校および定時制、夜間部、通信制などの学生は、「障害給付金制度」の支給要件である86年から91年には当時の厚生省が定める任意加入の学生に該当しないので除外される)。 社会保険事務所やインターネットでも加入暦を調べられるので、まずは自分の年金について把握し整理しておくことを勧めたい。(金季先、社会保険労務士、広島県在住、在日本朝鮮人人権協会会員) 同胞法律・生活センターでは住まいサポート活動を行っています。 引っ越しシーズンの到来です。同胞にとって住まい探しは昔も今も困難がつきもの。センターでは同胞不動産業者や家主さんの協力のもと、住まい探しのお手伝いをします。また、弁護士、建築士、福祉住環境コーディネーター、宅地建物取引主任など各分野の専門家の協力を得ながらさまざまな相談にもお応えします。まずはお気軽にお電話ください(TEL 03・5818・5424、平日の午前10時〜午後5時)。 [朝鮮新報 2006.4.5] |