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人権協会・法律部会が学習会 総連施設への課税テーマに

 福岡高裁判決と総連施設への固定資産税課税問題に関する学習会が16日、在日本朝鮮人人権協会・法律部会主催で東京都台東区の同胞法律・生活センター会議室で行われ、同協会の弁護士、司法書士、税理士、研究者らが参加した。

学集会で講演する北野・日大名誉教授

 学習会では、「熊本朝鮮会館に対する固定資産税等の免除を違法とした福岡高裁判決批判」と題して北野弘久日本大学名誉教授が講演したほか、総連中央の陳吉相・同胞生活局副局長が日本各地における状況について、また金舜植弁護士が東京における固定資産税裁判の現状や法的論点などについて報告した。

 北野名誉教授は、熊本朝鮮会館に対する今回の福岡高裁の判決は総連の領事館的機能、公民館的機能を無視したものだと指摘。総連が法人格を持たないために管理会社を立ち上げ、その名義で登記しているのは「公知の事実」であるにもかかわらず、形式的に管理会社名義となっていることをもって減免措置が違法としたことも含め、「法の論理」をまったく無視したものだと語った。

 また、在外公館に対する税の免除を規定した外交関係に関するウィーン条約について、さらに地方税はあくまで自治体の条例をその法源とするものであり、自治体がその条例にそって判断すればいい問題であることの解説、裁判を闘ううえでのアドバイスなど、豊富な研究実績と幾多の税金訴訟に関与してきた経験に裏打ちされた示唆に富む話が続いた。

 金弁護士は先日、朝鮮学校と中華学校の連名による税制差別等に関する人権救済申立を日弁連に対して行ったことについて触れ、在日朝鮮人をはじめ日本に定住する外国人の存在を「公益」と認めないような論理がまかり通り、差別が助長されるようなことがないよう、こちらからもより積極的に声を挙げていくべきであると発言した。

 参加者らによる活発な質疑や意見交換が行われた学習会は、最後に北野名誉教授による「正しいということは一番力を持っているということです。引き続きがんばっていきましょう」との発言で締めくくられた。【人権協会】

[朝鮮新報 2006.3.29]