京都外国人高齢者、障害者生活支援ネットワーク「モア」設立の集い 在日同胞(総連、民団)、行政との協働事業始まる |
高齢者、障害者問題など豊かで安心な生活のために
総連、民団、日本の人士らの呼びかけのもと、国際都市、京都に在住する外国人高齢者、障害者の生活支援や人権擁護のための活動、研究、情報交換などを通じ、支援対象者の豊かで生きがいのある生活を支援することを目的としたネットワーク「京都モア(more)ネット」が立ち上がった。設立の集いが20日、京都市中京区のハートピア京都で行われ、総連京都府本部の金学福委員長、民団京都府地方本部の金有作団長はじめ、200余人が参加した。 集いでは8人の呼びかけ人が紹介され、設立の経過報告、共同代表、運営委員の選出と採択などが行われた。 総連、民団をはじめとする各種団体および個人が共に外国人の福祉に関わる同ネットワークの設立は、都道府県単位では全国初となる。
京都府では、朝鮮、韓国籍者の占める割合が、府下居住外国人のうち66.2%(3万6853人)と、全国で2番目に高い。 昨年より総連、民団をはじめ、在日同胞の福祉事業を展開するNPO法人、日本の人士、京都市行政とで、外国人高齢者、障害者のための無年金問題、言葉の問題等の解決と、平等かつ外国人の現状に即した行政サービスが円滑に受けられるよう、また多文化共生社会実現促進のため、幾度も討議が重ねられた。 その結果、福祉、保健、医療などの相談員の育成と支援を主な活動目的とした事業を共に協働していくことを確認した。この意義は計り知れない。 この事業をより迅速に、より広範に対応できるように作られたネットワークが「京都モア(more)ネット」である。 「いまだに何ひとつもらっていない。この年で働いているのは西陣(京都)で私ぐらい。年金をもらうためにがんばっている」−2部懇親会では無年金裁判原告側団長で、1926年生まれの高齢者、玄順任さんの生の声に、一同の注目が注がれた。
共同代表の加藤博史龍谷大学教授は、「人権、生存権はすべての人に保障されるべき。生活上でのいろいろなことを相談、解決できる場『モア』ができたことはすばらしい」と設立を喜んだ。 エルファの南c賢事務局長は、「総連と民団という土台があり今日の設立を迎えることができた。総連と民団が呼びかけ、代表になり同胞生活を共に支える形となったことで、行政に影響を与える土台ができた。そしてわれわれNPO団体は現場での実績、経験を活かし両団体と共に運動を推進していく」と語った。 総連京都府本部の姜世淳同胞生活部長は、同ネットワークが@日本に住む外国人また同胞高齢者、障害者の生活上の悩みなどを相談できる窓口A日本の行政当局と連携をとり、数ある問題を官、民が力を合わせて解決していける契機となるネットワークとして、今後、発展していくだろうと話していた。(李東浩記者) [朝鮮新報 2006.3.23] |