政治を持ち込んでいるのは誰? |
今月10日に開幕したトリノオリンピック。北と南の選手団はシドニー、アテネに次いで冬季オリンピックでは初となる共同入場を果たし、統一朝鮮を全世界にアピールした。 統一旗を先頭に北と南の選手が笑みを浮かべながら入場する姿は何度見ても、感慨深いものがある。 オリンピックに限らず、ユニバーシアードやアジア大会など、さまざまなスポーツ大会でも北南は共同入場しており、統一への流れは揺るぎないものとなりつつある。 しかし、日本のテレビではその部分はほとんど触れられず、相も変わらぬ「北朝鮮バッシング」が続いている。あるテレビ局では、朝鮮のフィギュア選手の映像を使いながら、「北朝鮮は、スポーツ部門でも開放しなければ国際大会でいい成績は収められないのではないか」との「評論」を加えていた。 昨年行われたサッカーW杯のアジア最終予選で、およそ10年ぶりに国際大会に出場した朝鮮は、本大会出場こそ逃したものの大健闘したのは周知の事実。ちなみにチームの監督やコーチはすべて国内の人々だ。 海外からコーチを招いたからといって簡単にいい成績を収められるほど、スポーツの世界が甘いものではないということは日本のメディアが一番よく知っているはずだ。にもかかわらず、何かにつけて「北朝鮮は…」とネタにするのは、中国で行われたアジアサッカー選手権での「反日行為」を、「スポーツに政治を持ち込むな」といきり立った同じ日本メディアとは思えない。 オリンピックに参加している選手たちは、4年間の努力の成果を出しきろうと努力しながら、国を超えた交流をしている。 そうした交流にスポットを当て、他国の選手の健闘も称えるのが本来のメディアの姿ではないだろうか。 そろそろ「スポーツに政治を持ち込む」ことをやめてほしい。(松) [朝鮮新報 2006.2.22] |