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年の瀬

 黄色に色づいて、秋の街並みを美しく彩っていた銀杏の葉も、12月に入ると木枯らしに吹き飛ばされ、道端に散らばり、街路樹はやけに寒そうに見える。

 あちこちから新しいカレンダーが届き、歳末セールの幟や福引所がやたらと目につく。

 時間の流れはいつもと変わらないのに、なぜか気持ちだけがそわそわと焦りだす。

 大掃除に年賀状にお正月の準備。あれもこれもと欲を出しても身体は一つ。年末ギリギリまで仕事がある主婦の時間は限られている。

 朝の洗濯物干しも辛い季節。ましてやその後の出勤時の寒さに思わずコートの襟を立てる。

 今年の初めに立てた誓いを思い起こしてみる。目標はいつも大きく、いくつになっても諦めないと決めたはず。

 毎年、この年の瀬に幾度となく繰り返す反省と決意。

 確かに少しずつ、前に進んでいるような気はするが…。

 ゆっくり、じっくり振り返る時間がほしいものだ。

 誰かが、時間は自分で作りだすものだと言っていたが、私はそれが下手なのだろうか。

 年をとるということは避けられないこと。しかし、年を重ねた分だけ得るものもあるはず。

 つい口に出してしまう「もう歳だから」という言葉。新しい年からはやめよう。そして、「いい年取ってるよ」と言い直そう。

 家族には少し迷惑かもしれないが、来年も元気なオンマでがんばるぞ。(李清淑、会社員)

[朝鮮新報 2005.12.28]