日帰り歴史の旅 |
朝鮮新報の催し案内を見て、先月、「上野、下野路の古代朝鮮文化を訪ねる旅」に行ってきた。仲の良いトンムたちとペチャクチャおしゃべりをしながら、「紅葉も楽しみ、ストレスも解消できたら」というごく簡単な気持ちで参加した。 私が居住する埼玉県の高麗神社へは何度か訪ねたことがあって、この地が高句麗の人々によって開拓されたことを史跡から学んだ。今度の旅でも、同様の感激を味わった。 6〜7世紀頃、古代朝鮮の新羅、百済、高句麗から日本に来た人々によって造られた古墳が、群馬県には一万基を上回るほどたくさんあること、さらに栃木県にも大型の古墳が多いことを知った。その中には今春、発掘調査された下野薬師寺の跡のように、高句麗様式で名高い飛鳥寺の「1塔3金堂」様式であったことが判明した例もある。たった一日の早がけの旅でも、日本の歴史や文化は、古代朝鮮文化の影響を離れては、とても考えられないということを新ためて知ったのである。 朝・日間の歴史を正しく知ることは、現在や未来をどう生きるかを判断する貴重な糧となろう。日本の子どもたちが、一衣帯水の距離にある朝鮮半島の人々から、長い間豊かな文化的な恩恵を受けてきたことをぜひ、知ってほしいと切実に思った。私の孫たちと日本の子どもたちが正しい歴史観を学び、平和と友好の明日を築いてほしいと心底思わずにはいられなかった。 朝6時に家を出て夜10時頃帰宅した。疲れは感じたが、意義深い実にさわやかな日帰り旅行だった。(鄭蓮姫、朝鮮料理店主) [朝鮮新報 2005.12.11] |