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女、30歳を目前に

 今月で私も29歳になってしまった。

 最近よく耳にする負け犬の仲間入りだ。高校卒業後、資格を取り働き始めの2〜3年は仕事のことで精一杯、仕事にも慣れ始め責任のある仕事も任されるようになった頃、気づくともう29歳である。

 周りからは急に結婚の2文字、ちょっと拍子抜けする一方で焦り始めたりもする。学生時代、比較的真面目だった私は恋愛なんて他人事で部活や勉強で一杯だった。きっと親も安心する優等生だったのかもしれない。

 でもこの歳になると話は変わってくる。この歳で彼氏の1人や2人いないとなると親もかなり心配なようだ。親だけではない、仕事場の人達や周りの人達も俄然心配してくれる。日本の社会でも負け犬なんて言われ結婚できない女性が多い中、在日の私たちにとって結婚問題はさらに複雑だ。最近では同胞同士の結婚も少なくなってきている。私の周りでも日本人と結婚した人は少なくない。もちろん友達の間でもこう言った話はよくする。愛があれば国籍なんてとも思うが、女性が帰化して、日本人と結婚すれば日本国籍を持つということで、苗字だって変わる場合もある。だからそう簡単な問題ではない。だからこそ、同胞同士の出会いの場やお見合いにだってチャレンジする。

 周りの人が思うほど30歳を目の前に控えた私たちはお気楽でもなく、本人たちなりに真剣だ。だからもう少しだけ、焦らず見守っていてほしい。でもそんなことを言っているうちは結婚なんてまだ遠そうである。(康麗順、放射線技師)

[朝鮮新報 2005.8.29]