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息子のケガ

 最近のことである。子どもがケガをして少しの間職場を早退したり休んだりした。

 駅から病院までの往復で、普段の運動不足を痛感した。毎日、当たり前のように過ごしてきた生活のリズムが少しでも乱れると働く主婦には負担がとても大きいことも同時に痛感した。

 わが子はもちろんのこと、病院で多くの患者を目にすると、自分の健康に感謝しつつも無事に治るのかと心細くなったりもして、心の方も柄にもなく少しばかり疲れ気味の弱気に…。

 そんな私を密かに元気にしてくれたのが、職場の机の上のドラセナと言う小さな観葉植物だった。ここ何日間、主人に相手にもされず枯れかかっていたのに、枯れた葉の間から新しい葉が顔を出していた。

 慌てて水をやり陽のあたる場所へ移動、その姿がうれしいやらありがたいやら、黄緑の細い葉に救われた思いだった。

 人は、些細なことで悩んだり傷ついたり、でもまた、とても小さなことでも元気になれるということをあらためて実感した。

 元気がとりえの自分が少しの間、別人のようになった気がした。

 窓の外から聞こえる蝉の声と真夏の太陽が弱気な心を乾かしていくようだ。

 わが家では「オンマの元気がみんなの元気」。さて、グズグズしてはいられない。

 家族の誰が病気になっても、ケガをしてもつらい。

 幸い、悩みの種だった息子のケガもようやく回復に向かって、家族一同、ホッと胸をなでおろしている。

 大きく深呼吸して、いつもの元気なオンマに変身!(李清淑、会社員)

[朝鮮新報 2005.8.8]