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乳がん検診

 ある日新聞の一面に、乳がんと闘う女性の記事が掲載されていた。内容は乳がんを見落とされた経験から乳がん検診のあり方について問うものであった。ちょうど私が勤める病院でも、区の依頼を受けてマンモグラフィーによる乳ガン検診を始めるという時期と重なっていた。

 最近ではマンモグラフィーと言う言葉をよく耳にするが、日本でマンモグラフィーを併用した乳がん検診がおこなわれるようになったのは最近のことである。それまでは視触診のみの検診が主流であった。

 マンモグラフィーとは乳房撮影のことで早期の乳がん発見に優れていると言われている。ただし、専用のX線装置を使用し、乳房を挟んで撮影しなければならないため、人によっては痛みを感じたりすることがある。また、X線という事で放射線被ばくを心配する人も多い。しかし、一回の撮影で受ける放射線の量は東京からニューヨークへ飛行機で行く時に浴びる自然放射線の半分くらいである。

 乳がんは40代から50代の女性において発病する確立が高く、働き盛りの女性が命を落とすことも少なくない。日本ではようやく補助金などを支給しマンモグラフィー検診の推進を始めた。

 乳がんは早期発見が何よりも大切である。忙しい日常生活の中でつい先延ばしになってしまいがちだが、この機会により多くの女性に乳ガン検診を受けてほしいと思い、これをテーマにした。医療従事者としてではなく、同じ女性として決して他人事ではないのである。(康麗順、放射線技師)

[朝鮮新報 2005.5.9]