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夢のような春休み

 久しぶりに実家に帰った。2年ぶりの里帰りに子どもたちは大喜びだったが、普段は両親2人きりの生活で静かな実家は予想以上のパニックとなった。

 地元に嫁いだ妹が夫、子どもを連れて来ると子どもたちはすぐに意気統合し大騒ぎ。

 その中でおみごとなハンメぶりを発揮する母、それでもいつものマイペースを保とうとする(が、ムダな)父。

 子どもたちはいとこの素晴らしいまでの関西弁に早くも染まり始め、「あかーん」「いやや!」「ほんま?」を連呼。

 そんなある日、父が孫5人を地元ボランティア主催の「サクラ祭」に連れて行ってくれるという。朝鮮学校の初級部生が独舞を踊るのを見せたかったらしい。

 舞台と呼ぶにはあまりにお粗末な場所だったが、そこでのびのびと踊る朝鮮学校生の姿に息子(小3)は固まってしまった。

 鹿児島の片田舎で朝鮮人としての付き合いをしているのは県内2、3軒だけ。彼の知ってるチョーセン人と言えばその2、3軒とハルベ達だけだった。

 ところが彼の目前で自分らと同じくらいの初級部生がチョゴリを着て踊り、日本人の嵐のような拍手を浴びている。

 テレビでの「チョーセン」報道に近頃とまどっていた彼の目が大きく見開かれたのを見たとき、私までも熱いものがこみ上げてきた。

 子どもたちにとって本当に夢のような春休みだっただろう。特に息子にとっては大切な成長の時となったと思う。オモニ、アボジ、本当にありがとうございます。(李命淑、主婦)

[朝鮮新報 2005.4.18]