関東大震災から82年−虐殺事件の真相究明 |
今年は関東大震災から82年になる。私たちにとっては、忘れようにも忘れられない民族受難の記憶である。どれほど多くの無辜の朝鮮民衆の命が奪われ、理不尽に生を絶たれただろうか。 父が、母が、未来を嘱望された子供たちが無差別に殺りくされ、しかも、葬ることも許されず、それらの遺体は野にさらされ、放置されたままであった。 そして、80年以上の歳月が流れても、日本政府はこのことに責任ある立場を取っていない。真相の究明も計らず、被害者やその家族に一片の謝罪もしないままむなしい歳月が過ぎ去った。 植民地支配下に受けた民族の受難。国を奪われた民の運命の残酷さを語ってあまりある事件である。 1923年は、日本にとって大きな意味を持っている。10年の強制占領以降、朝鮮半島において植民者として数々の不正義な行為に手を染めた。19年の「3.1運動」で、朝鮮民衆からその不正義を厳しく追及された。しかし、日本は正義と公正の道を選ばず、侵略戦争を拡大し、国内外で殺りくの道に突き進んだのだ。 あれから80年経った現在の日本。国際化の時代の潮流に背を向け、相変わらず日本は在日外国人に同化を強要し、同化を拒絶する人々に有形無形の迫害を行うシステムが続いている。 80年前の虐殺の記憶、原初の暴力の記憶を手繰り寄せ、あらためて虐殺事件の真相究明とこの重大犯罪に対する法的、倫理的責任を、日本政府、東京都はじめ周辺の地方自治体ははっきりさせるべきである。(粉) [朝鮮新報 2005.9.4] |