息子の死−林秀卿さんに追悼の意捧げる |
1989年、第13回世界青年学生祭典参加のため南朝鮮から単身平壌に訪れた全大協(全国大学生代表者協議会)代表の林秀卿さん(36)の一人息子が、先日、フィリピンのプールで溺死したことがわかった。 ソウル市内の初等学校に通う林さんの息子・崔くん(9)は、夏休みを利用して同年代の児童30人あまりと英語の研修でフィリピンでのキャンプに参加していた。事故当日は午前の英語授業に続き昼食をしたあと、プールで遊んでいたとのこと。 南のインターネット新聞はソウル市内で行われた葬儀の様子を、「89年 『統一の花』と呼ばれた彼女は一輪の花のように息子の写真の前に立っていた。口をつぐんだまま目に笑みをたたえる子どもの写真の下には、幼稚園の卒業写真と子どもが使ったかばんが一緒に置かれていた」と伝えた。 斎条の廊下には南の各界人士、全大協同友会ほか、林さんの息子の死を悼む在日同胞の弔花も置かれた。 息子の崔くんは02年3月、東京・赤羽で開かれた「林秀卿とともにする平和コンサート」に全大協の有志らとともに出演。「ソウルから平壌まで」を熱唱して客席から大きな拍手を浴びた。 また、「京義線にのって」(作詞キム・ジョンファン、作曲ユン・ミンソク)のミュージックビデオにも出演し、将来の夢を「鉄道員になって平壌にも行って、シベリア大陸を渡ってヨーロッパにも行くんだ」と語り、「平壌に行ったことある? オンマは平壌に行ったのに、なぜボクは行けないの? 大人になったら行けるの?」と、まっすぐな視線を向けて聞いていた。 突然の事故で短い生涯を終えた崔くんの冥福を心から祈る。(潤) [朝鮮新報 2005.8.1] |