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「夫婦別姓法案」−頑迷な反対派の狙いは?

 先日テレビで日本国会における夫婦別姓法案の特集を観た。

 自民党の野田聖子議員ら積極的な賛成派は、女性の生き方、家族の姿の多様化や選択肢を増やす意味で良いと述べていた。

 一方、頑迷な反対派の方は、「夫婦別姓を認めると家族がバラバラになるからダメだ」という理屈。テレビの向こうの大衆を意識した一見ソフトな言い回しだが、本音はもちろん別にある。

 反対派の面々を見渡すと一目瞭然である。先日、「A級戦犯は罪人ではない」と妄言を吐いた森岡厚労政務次官もいれば、日本の過去の戦争責任について「戦後世代は何の責任も負っていない」などと臆面もなくいい放った高市早苗議員もいる。「従軍慰安婦」「強制連行」を否定する顔ぶれとほぼ一致する。

 そうして見ると、彼らの狙いははっきりする。男女平等を否定し、戦前のように戸主制度を復活させて、「日本の伝統に根ざす家族制度の確立」を夢見ているのだ。天皇の赤子としての家族であって、個々の人権が確立された家族であってはならないのである。

 実は、朝鮮半島における父系血統主義も日帝の戸主制を押しつけられたものであり、元々は朝鮮伝統のものでは決してなかった。朝鮮時代の戸主は現在の概念とはことなり、税金徴収や世帯調査などの際に必要な家族代表者としての性格に限られていた。つまり朝鮮時代は家長が死亡すれば、戸主は息子でなく妻になったと多数の学者が指摘している。改正前の南の民法は日帝時代に日本が朝鮮人に対する強制収奪と人的管理のために押しつけたものだった。南は長い闘いを経て、戸主制を廃止させたが、日本はその復活を目論む。(粉)

[朝鮮新報 2005.6.20]